東京五輪の星・奈良岡功大 金メダルへ“心”も急成長する14歳

[ 2015年12月13日 09:10 ]

全日本バドミントン男子シングルス予選2回戦で敗退したものの、父でコーチの浩さん(左)とともに笑顔で会見する奈良岡功大

 中学生の成長は早い。バドミントンの全日本総合選手権、男子シングルス1回戦。14歳で本戦最年少出場を果たした奈良岡功大(青森・浪岡中2年)は日本代表の上田拓馬(26=日本ユニシス)と接戦を演じた。昨年は13歳で全日本総合選手権の予選に出場。予選1回戦で社会人選手に勝ち「史上最年少勝利」を挙げ、20年東京五輪の星として、注目を集めた。

 あれから1年。コーチの父・浩さんはさまざまな変化を口にする。「やるときの集中力が半端なく上がった」。もともと奈良岡は単調な練習でも10球やれと指示されると、12、13球必ずやるタイプ。しかし、今年は自費で海外での試合を経験していく中で、練習を休む場面がでてきたという。「当時は妥協かなと思った」と振り返るが、結果的に見れば、実際のところは「意識的に落としていた」。海外や国内での試合を重ね、練習などでの強弱のコントロールを理解してきたのだという。14歳にして、自分の体を感じる力を身につけている。

 自立心も芽生えつつある。夏以降は海外遠征に、浩さんは同行せず、自立を促した。「いなくても困難を乗り越えて優勝してくる」と目を丸くするが、複雑な心境もあるという。「コーチとしてはたくましくなったなと思うが、親としては生意気になって帰ってくるので…」。全日本総合選手権の記者会見では浩さんが同席したため、何度か父親の顔色をうかがうことはあった。それでも、昨年は報道陣の質問に首をかしげたり、言葉が出てこなかったりしたことを思い返すと、今年は必死に自らの口で言葉をつなごうとする意志が見てとれた。

 東京五輪金メダルへ、一歩ずつ着実に歩を進める。小学3年の終わり頃には既に目標を自ら立てて紙に書き、部屋の壁に貼った。中学3年となる来年の目標はスーパシリーズ出場。急激なスピードで成長を続ける14歳の1年後はどう変化するのか。その活躍を楽しみにしたい。 (後藤 実穂)

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2015年12月13日のニュース