真央つなぐタイミング難しい3―3回転失敗も微調整の範囲 岡崎真氏分析

[ 2015年12月13日 05:30 ]

他を圧倒する表現力とスケーティング技術でジャンプの失敗をカバーする浅田真央

フィギュアスケートGPファイナル第2日

(12月11日 スペイン・バルセロナ)
 浅田はSPのジャンプ3要素のうち、2つにミスが出た。それでも、全体の動きはNHK杯と比べてシャープで、滑りそのものは良かったと思う。5項目の演技点でトップだったのは、その証明ではないだろうか。

 3―3回転の連続ジャンプはともに回転不足。浅田の場合、2つ目はループだが、多くの選手はトーループを跳ぶ。1つ目のジャンプの着氷後、トーループの場合はフリーレッグ(氷に接していない方の脚)を後ろに引き、トー(爪先)を氷面に突いた上で跳び上がるため、体勢が整えやすい。一方、ループは着氷した脚の屈曲でそのまま離陸するため、1つ目と2つ目をつなげるタイミングがより難しい。これが両方の回転不足につながるケースがあり、今回はまさにそれ。微調整の範囲と言っていい。

 一方、ルッツは踏み切り時のエッジの使い方にフォーカスし過ぎたのか、体を引き締めて回転動作に入るのが遅れた。ルッツに対する特別な意識が残っているのかもしれない。もちろん、ルッツなしでも高得点は十分可能なのだが、ルール上4回転が跳べない女子SPで3回転半、フリップ、ループ、ルッツという構成は、最高難度の組み合わせ。妥協しない姿勢は称賛に値するもので、今もなお「挑戦者」であり続けていることをあらためて感じさせてくれた。 (ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)

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2015年12月13日のニュース