男子セブンズ 予選3戦連続完封勝ち、リオ切符へあと3勝

[ 2015年11月8日 05:30 ]

<日本・台湾>後半、トライを決める藤田(右)

7人制ラグビー リオデジャネイロ五輪アジア予選香港大会

(11月7日 香港スタジアム)
 男女日本代表はともに3戦3勝で総勝ち点9として初日を終え、1次リーグで首位に立った。1次リーグA組の男子は韓国を47―0で破るなど、3試合連続の完封勝ち。藤田慶和(22=早大)が3トライ、松井千士(ちひと、20=同大)が5トライと、現役大学生の2人が3連勝を演出した。8日に男子は中国と、女子はグアム、中国との1次リーグを行い、その後に順位決定トーナメントに臨む。

 3試合を終えて額に髪をたらし汗を浮かべた藤田が、いたずらっぽく笑った。「いいトライだったんですけどね。チーム的には(ボールを)外に出してリスクを避けようと。一つ勉強になりました」

 3試合目の韓国戦の後半。試合終了を告げるフォーンが鳴った後のスクラムからのアタックで、縦に走り込んで対面を振り切り、インゴール中央にダメ押しのトライを決めた。すでに勝利が確定している状況で、翌日も3試合が控えることから、ボールを蹴り出し試合を終わらせるのが王道。本能のままにトライを取った藤田は「瀬川(智広ヘッドコーチ=HC)さんと坂井さんに言われました」と苦笑いしながらも、どこか満足げだった。

 4月からW杯終了までの15人制代表拘束期間にも、5月には一時チームを離れ、7人制のワールドシリーズのイングランド大会に参戦。瀬川HCら首脳陣の期待に応えるように、W杯から帰国後にはわずか6日の休養を挟んで合宿に参加した。2週間で体重を4キロ落とし、スプリントの繰り返しや持久力が求められるセブンズ仕様の体に変身。W杯で精神的にも成長したラグビー界のワンダーボーイは「全然プレッシャーはない。この大会を楽しめたら、絶対に切符は獲れると思うので、楽しんで頂点まで上っていきたい」と話した。

 一方で「試合前は緊張があった」という松井は、初戦の台湾戦でチーム初トライを挙げるなど、チーム最多の3試合計5トライを記録。韓国戦の後半には左タッチライン際を独走するなど、持ち味のスピードをいかんなく発揮した。リオ五輪のみならず、20年東京五輪でも活躍が期待される若き2人。次世代の日本ラグビーを引っ張るコンビが、五輪への道を切り開く。

 ▽7人制ラグビーのルール フィールドのサイズは15人制と同じで、1チームは12人で編成され、一度に出場できるのはFW3人、バックス4人。試合時間は2分間のハーフタイムをはさみ前後半7分ハーフで行われるが、大会の決勝のみ10分ハーフで行うことが多い。1日に数試合をこなすのが通例。ルールは15人制とほぼ同じだが、スクラムが3対3、試合再開はトライを取ったチームのキックオフから等、異なる点も存在する。

 ▽リオ五輪への道 アジア予選は男子は参加10チームを2組に分け、1次リーグを実施。各組上位2チームがカップトーナメントに進出し、優勝チームに五輪出場権、2~4位のチームに世界最終予選(場所、時期未定)出場権が与えられる。

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