ポルナノン 2差3位、キャディーの兄と米ツアー初V獲りタイ

[ 2015年11月8日 05:30 ]

2番、ティーショットを放つポルナノン。首位と2打差の3位に浮上した

女子ゴルフツアー スポニチ主催2015TOTOジャパンクラシック~伊勢志摩~第2日

(11月7日 三重県志摩市 近鉄賢島カンツリークラブ=6506ヤード、パー72)
 ほほ笑みの国・タイからやってきたキュートな25歳がツアー初優勝を狙える位置に浮上した。ポルナノンは「ショットが真っすぐにピンに向かっていたし、パッティングも良い感じで決まってくれた」と歯車がかみ合った一日を満足そうに振り返った。

 1番で2メートル、2番で3メートルを決める連続バーディーで滑り出した。5番パー3は8Iでのティーショットがカップをかすめて10センチにピタリ。「もう少しで入りそうだった」という自画自賛のショットでスコアを伸ばすと、そこから8番まで4連続バーディーを奪い、単独首位に立って後半に折り返した。だが、「後半は、少し自分のスコアを意識しすぎてしまった」と緊張感に襲われて伸ばせずじまい。首位と2打差の3位で終わり、「ちょっと考えすぎちゃったかな」と舌を出した。

 それでも、「きょうは完璧」というゴルフができたのは、心強い相棒のおかげだ。兄のポルポンさん(29)がキャディーを務めており、「一緒にパットのラインを読んだり、助けてもらった」と感謝しきり。マネジメント会社の社長という肩書を持つポルポンさんは妹のため、兄であるだけでなく、キャディー、マネジャーの役割も担っている。時には意見の食い違いで言い争うこともあるが、「30秒だけケンカをして、その後はすぐ元通りになれる」と基本的には仲良し。この日も色鮮やかなおそろいのパンツをはきこなしていた。

 12年HSBCブラジルカップなどツアー外競技での優勝経験はあるが、米ツアーは未勝利。「ここで初優勝を飾れたら最高ね」とタイ人初の米ツアー優勝に意欲を見せる。母国では「ウェーン」と呼ばれている。指輪の意味で、両親が「宝石のように」との願いでつけた愛称が広まった。タイ初の快挙達成で最高の輝きを放ちたい。

 ◆ポルナノン・ファトラム 1989年12月4日、タイ・バンコク出身の25歳。父の影響で7歳でゴルフを始める。08年のアジア女子ツアーで2勝し、09年から米下部ツアーを主戦場にした。10年の米ツアー最終予選会で6位となり、11年からシード選手。今季は8月のポートランド・クラシックの2位が最高。1メートル60。

 ≪ジュタヌガーン姉妹も≫米女子ツアーのタイ出身選手はポルナノンの他にもモリヤとアリヤのジュタヌガーン姉妹が活躍している。日本女子ツアーでもO・サタヤがツアー2勝をマーク。男子では米ツアーやアジアンツアーで活躍するトンチャイ・ジェイディーや日本ツアー通算5勝のプラヤド・マークセンらがいる。米女子ツアーではホンダLPGAが開催されるなど、タイが世界各国のツアーの会場になることも多い。一般市民にもゴルフは広く受け入れられており、首都バンコクを中心に全国で150ほどのコースが存在する。

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