2年目の葵 自己ベスト68!1差で初日自己最高2位発進

[ 2015年10月23日 05:30 ]

11番、アプローチを放つ大西葵は4アンダーで2位タイで初日を終える

女子ゴルフツアーNOBUTA GROUP マスターズGCレディース第1日

(10月22日 兵庫県三木市マスターズGC=6543ヤード、パー72)
 国内ツアー屈指の賞金総額1億4000万円のビッグトーナメントが開幕した。プロ2年目の大西葵(21=加賀電子)が5バーディー、1ボギーの自己ベストスコア68をマーク。4アンダーで首位に1打差の2位と第1ラウンド自己最高順位で発進した。原江里菜(27=NEC)が5アンダー、67で回り単独首位。ホステスプロのイ・ボミ(27=韓国・マスターズGC)は68で回り2位につけた。大会は4日間で争われる。
【第1R成績】

 プロになって最高のラウンドだった。大西は3番で2メートル、続く4番で10メートルのパットをねじ込むなど16番までに4バーディーを奪った。17番パー3で1打目を池に入れて3アンダーに後退したが最終18番でド根性を見せた。残り180ヤードからピン4メートルにつけると、真っすぐのラインを沈めてツアーでは自己最少スコアの68をマークした。

 「ショットがいい所についたのでバーディーを取りやすかった。試合が始まる前はアイアンが悪くダフリしか出なくて。きょうは全部ハーフショットで行こうと思ったら2~3メートルについた」。21歳は笑顔で振り返った。

 ツアー参戦2年目の今季ここまで31試合に出場し予選通過はわずか4試合。スコアがまとまらない原因はグリーン上にあった。「緊張した時パターが動かなくなってイップスみたいになって。(1ラウンド)40パットしたこともある」。春先は50センチを入れるのにも苦労した。だがプロの試合の雰囲気に慣れた最近ようやく調子が上向いた。

 開幕当初は兄・翔太さん(23)がキャディーを務めた。だが「兄に(アドバイスを)言われると言い返しちゃう」とケンカが絶えないため4月にコンビを解消した。その兄がバッグを担ぐ親友・青木瀬令奈が前週富士通レディースで3位に入り来季シードを確実にしたことも発憤材料にして好スコアにつなげた。

 9歳でゴルフを始めたが順風満帆ではなかった。千葉学芸高時代は河川敷のゴルフ場でキャディーをしながら練習を続けた。しかし高校3年時に「プロになってほしいという周りのプレッシャーが凄くて」ゴルフから逃げ出した。2カ月クラブを全く握らず授業の後は友達と遊ぶ毎日。居酒屋店員などのアルバイトも経験した。だが、それが「時給700円では満足できない。プロになって稼ぎたい」と再びゴルフに向き合うきっかけとなった。最初に受験した13年のプロテストは不合格だったが、1年後に願いをかなえた。

 2位は初日の自己最高。15位発進だった2週前のスタンレー・レディースではパットで手が動かなくなる症状が出て45位に終わった。大西は「上位にいることを気にしないで気楽にいきたい。自分が気にしているほど誰も気にしていないと思って」と自分に言い聞かせた。

 ◆大西 葵(おおにし・あおい)1994年(平6)7月13日生まれ、千葉県我孫子市出身の21歳。9歳の時に父・直樹さん(44)の影響でゴルフを始める。千葉学芸高卒。昨年プロテスト合格。同年スタンレー・レディース26位がツアー最高成績。家族は父・直樹さん、母・知子さん(42)、兄・翔太さん、弟・海翔(かいと)さん(15)。趣味はショッピング。1メートル63、56キロ。血液型O。

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