錦織、ジョコに雪辱を…来季の目標は「トップ3を乗り越えること」 

[ 2014年11月17日 05:30 ]

ジョコビッチにポイントを奪われ悔しがる錦織(AP)

男子テニスATPツアー・ファイナル第7日シングルス準決勝 錦織圭1―6、6―3、0―6ジョコビッチ

(11月15日 英国・ロンドン)
 飛躍の年を経て、さらなる高みを目指す。世界ランキング5位の錦織圭(24=日清食品)は15日のATPツアー・ファイナル準決勝で同1位のノバク・ジョコビッチ(27=セルビア)にフルセットの末に敗れ、2014年シーズンの幕を閉じた。全米オープン準優勝や世界ランキング、獲得賞金ともに自己最高を大きく更新した「最高の一年」。来季はジョコビッチ、フェデラー、ナダルのトップ3と盟主の座を懸けた争いを本格化させる。

 錦織が今季立てた目標は3つあった。トップ10入り、4大大会4強以上、そして最終戦出場だ。それら全てをかなえた「最高の一年」。しかしその満足感に浸るよりも、1つの負けが錦織の気持ちをくすぶらせた。

 決勝進出を懸けた一戦で世界1位に惜敗。健闘で割り切れないのは頂点を狙う人間の性分だ。「タフな相手しかいないツアー・ファイナルといえども負 けるのは悔しい。いい試合をしたところで何も得るものがないというか、どんな相手でも勝たないと悔しさが残る」

 勝機はあっただけに余計に悔やまれた。第1セットは相手の完璧なプレーぶりに手も足も出なかった。「こてんぱんにやられた」。第2セットは見違えるようだった。第1ゲームを落としたものの、すぐにブレークバックに成功。中盤からはギアを上げ「ガツガツ、テンポを速くして打っていった」と主導権を握った。

 その流れに乗って最終セットの最初のゲーム、相手のサーブで15―40とブレークポイントをつかんだ。しかし、この2本のチャンスを自らのミスで逃すと王者が底力を発揮。あっという間に試合を持っていかれた。

 「ジョコビッチは第2セットを落としても集中していた。勝つためにどうしたらいいかを知っていた」。勝機を見定める経験とそれをつかむ集中力。錦織には来季への宿題として残った。

 1次リーグでは、世界2位のフェデラーにも完敗した。今大会を欠場した同3位のナダルにはまだ勝ったことがない。来季の目標は彼らトップ3を乗り越えること。「トップの3選手はまだ上(のレベル)にいる。でも近づいているのは間違いない。彼らに勝つことをもっと意識してやりたい」。来季は年明けのブリスベーン国際(1月4日開幕、オーストラリア)から始動。頂に挑むチャンスはまたすぐにやってくる。

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