前田 初V見えた!段ボール工場でバイトの苦労人「頑張る」

[ 2014年11月16日 05:30 ]

<伊藤園レディース2日目>17番、バーディパットを決めギャラリーの声援にこたえる前田陽子

女子ゴルフツアー 伊藤園レディース第2日

(11月15日 千葉県長南町 グレートアイランド倶楽部=6639ヤード、パー72)
 ツアーでのベストが10位という29歳の前田陽子(フリー)が17番で18メートルのパットを決めるなど5バーディー、2ボギーの69で回り、通算7アンダーで1打差の3位に踏みとどまった。トップは藤本麻子(24=富士通)と原江里菜(27=NEC)が8アンダーの136で並び、初日トップの鈴木愛(20=フリー)は4打差の13位に後退した。
【第2R成績】

 優勝経験のある原、藤本に1打差で続き、初優勝のチャンスを手にしたのが前田だ。14、15番と連続バーディー、17番で「強めに打ったので外れたらどこまで行ったか」というバーディーパットはカップの縁に弾んでイン。18番はボギーとしたものの、1打差の3位に「ショットが良くてバーディーにつながった。このコースでこのスコアは最高」と素直に喜んだ。

 カラフルで派手なパンツで脚光を浴びた前田も今年1月までは地元の徳島県小松島市の段ボール工場でアルバイトをしながらステップアップツアーに挑んでいた。香川西高を卒業後、06年にプロ宣言をしたが、日本女子プロゴルフ協会のプロテストに受かったのは「これが最後」と決めた5回目の08年。08年には4試合に出場したものの、09年からはツアーには出られず「何度も辞めようと。ゴルフでは食べられないので」とアルバイトを始めた。時給750円からスタート。安全靴にヘルメット姿で午後4時まで働き、その後、練習という生活が5年も続いた。

 昨年のツアー出場権をかけた予選会で12位となり、出場資格を手にした今季は開幕戦から32試合に出場。meijiカップの10位が最高で賞金ランクは68位でシード権にはまだ遠いが、「開幕前はツアーの経験がなかったので不安ばかり。試合を重ねて安定してきた」と前向きだ。同郷の20歳、鈴木愛は9月に日本女子プロ選手権で最年少優勝を飾ったが、「私は私なりに頑張る」とマイペースを貫く。
 
 夢に見た優勝を目の前にして迎える最終日。「何しろ初めて。緊張していいプレーができるとは思わないが、いい経験のつもりで」。プロ転向から9年目で迎えた優勝争い。29歳に気負いはない。 

 ◆前田 陽子(まえだ・ようこ)1984年(昭59)11月26日、徳島県小松島市生まれの29歳。小学6年でゴルフを始め香川西高を経て08年に5度目のプロテストに合格。昨年の予選会で12位となり今季は32試合に出場。今季のmeijiカップの10位が最高。生涯獲得賞金は1115万8666円。得意クラブはPW。1メートル64、60キロ。

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