錦織 次の標的は「自分のアイドル」フェデラー撃破で準決王手だ

[ 2014年11月11日 06:18 ]

力強いバックハンドで打ち返す錦織(AP)

 男子テニスATPツアー・ファイナル1次リーグB組で白星発進した世界ランキング5位の錦織圭(24=日清食品)は、第2戦(日本時間11日午後11時開始)の相手が世界2位で4大大会17勝を誇るロジャー・フェデラー(33=スイス)に決まった。9日の初戦では3戦全敗と苦手にしてきた同6位のアンディ・マリー(27=英国)に6―4、6―4でストレート勝ち。「自分のアイドル」と語る憧れのフェデラーに勝って2連勝となれば、1次リーグ突破に王手がかかる。

 A・マリー撃破の勢いに乗る錦織の次の標的はフェデラーに決まった。「自分のアイドルで、今のツアーはもちろん、歴史的に見てもベストプレーヤー」と開幕前に語っていた憧れの存在との大一番だ。10日の練習では早速、対策に着手した。フェデラーが多用する片手バックハンドのスライスを打ち返すことを徹底。ネットプレーも多用しているだけに、頭を越すロブショットの確認にも余念がなかった。

 フェデラーはテニス界のみならずスポーツ界のスーパースターとして君臨してきた。ツアー通算82勝を挙げ、生涯獲得賞金は100億円に迫る勢い。昨季は一時5位までランクを落として衰えをささやかれたが、今季は優勝回数、年間勝利数ともにトップの数字を残し、世界1位奪回を狙える位置まで戻ってきた。

 そのフェデラーに過去2勝2敗と五分の錦織だが、初戦の戦いぶりを見ればさらに期待は高まる。1年10カ月ぶりの対戦となった9日のA・マリー戦は、これまで1セットも取ったことのなかった相手にストレートで快勝。守備型のA・マリーに付き合って長いラリーをするのではなく、チャンスと見れば積極的に攻めた。「以前よりも浅いボールが見えるようになって、前に入ることができた。以前はそれができていなかったし、やっていなかった。その違いはかなり感じた」と自らの成長を確信する1勝となった。

 地元英国のA・マリーとの試合ではそれほどでもなかったアウェーの雰囲気は、フェデラー戦の方が強まる可能性がある。初戦でフェデラーに敗れたラオニッチは、場内の偏った声援に「観客がロジャーを応援するのはいつものこと。世界中のどこでもそれは仕方ない」と語った。スーパースターにはファンのサポートもつく。ここを乗り越えて2連勝とすれば、1試合を残しての準決勝進出が8割方確定する。高い壁の向こうには大きな実りが待っている。

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