逸ノ城まげ1勝!徹底マークの中…初の下手投げ○で逆襲の一歩

[ 2014年11月11日 05:30 ]

宝富士を下し、勝ち名乗りを受ける逸ノ城

大相撲九州場所2日目

(11月10日 福岡国際センター)
 モンゴルの怪物がちょんまげ1勝を挙げた。初土俵から所要5場所で史上最速の新関脇となった逸ノ城が平幕・宝富士を下手投げで破った。13勝2敗と大活躍した秋場所まではざんばら髪での快進撃。初のちょんまげで臨んだ今場所は黒星発進となったが、連敗を阻止して逆襲の一歩を踏み出した。大関2場所目の豪栄道は連敗発進。他の横綱、大関はいずれも2連勝となった。
【2日目取組結果】

 ちょんまげ姿の逸ノ城が少し頬を緩めた。喝采を浴びながら花道を引き揚げ、たどり着いた西の支度部屋。「とりあえず初日が出てうれしい」。ざんばら髪だった秋場所で何度も見せた愛きょうのある笑みだった。

 前日の黒星発進後「人間だから緊張感とかいろいろあります」と“人間宣言”した21歳らしい迷いが、この日も垣間見えた。師匠の湊親方(元幕内・湊富士)には「引くな!」と厳命されたものの、宝富士戦では立ち合いで踏み込めず高い姿勢のまま受けてしまった。

 「もともと立ち合いは全然うまくない」。はたいてしまい攻め込まれたが、なんとか左に回り込みながら右を差し、逆転の下手投げで初勝利を挙げた。新入幕の秋場所で13勝2敗を挙げたことで徹底マークを受け、簡単には得意の左上手を取れない。そんな中、下手投げでの勝利は幕下時代も含めて初めてとなった。「右が入ったんで投げてみようかと。まだ自分の相撲じゃない」。苦しみながらも、とっさの判断で“ちょんまげ1勝”をつかんだ。

 注目度の高さはテレビ視聴率でも裏付けられている。初日の幕内取組(関東地区、午後5~6時)は16・2%。初日の数字としては過去3年間の全場所を通じて最高だ。九州場所の初日に限れば、95年の17・0%(十両取組を含む午後3時50分~6時)以来の高い数字。その場所は横綱・貴乃花の第2次黄金期で、4連覇がかかっており、千秋楽の優勝決定戦では初めて若貴兄弟対決が実現した。“モンゴルの怪物”は社会現象にもなった若貴人気に匹敵するインパクトがあることを証明した形となった。

 3日目は同じ新関脇で197キロの碧山と対戦。199キロの自身と合わせて約400キロの大型対決。ちょんまげ1勝を足がかりに真の怪物ぶりを披露する。

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