町田、首位発進!大輔引退で自覚「後輩にかっこいい背中を」

[ 2014年10月26日 05:30 ]

スケートアメリカの男子SPで首位に立った町田樹(AP)

フィギュアスケートGPシリーズ第1戦スケートアメリカ第1日

(10月24日 米イリノイ州シカゴ)
 男子ショートプログラム(SP)で昨季の世界選手権銀メダルの町田樹(たつき、24=関大)が冒頭の4回転―3回転など全てのジャンプを決め、93・39点で首位に立った。ジェレミー・アボット(29=米国)が81・82点で2位。ソチ五輪銅メダルのデニス・テン(21=カザフスタン)は77・18点で4位と出遅れた。

 ハイスコアを確認すると、自らを称えるように町田が拍手した。昨季の世界選手権でマークした98・21点には及ばないものの、自己2番目の93・39点で大差の首位発進。今季初戦で好スタートを切った24歳は「演技には課題があるし、見せ場をつくれなかった」としながらも、「初演にしては上出来。ここまでまとめられた自分を誇りに思う」と胸を張った。

 今季のテーマは、物事が極限に達することなどを意味する「極北」だ。SP「バイオリンと管弦楽のための幻想曲」は、「悲恋の極北」と町田は解説する。冒頭の4―3回転の連続トーループを決め、切れのあるステップでも魅了。滑り終えるとファンが総立ちで拍手を送った。「誰の心の中にも、さまざまな愛の形がある。演技を通して触れることができれば、表現者として幸せ」と納得の表情だ。

 GPシリーズ開幕前、衝撃的なニュースが飛び込んできた。14日、岡山・倉敷翠松高、関大と同じ道を歩んだ偉大な先輩・高橋大輔さんが引退を表明。ソチ五輪王者の羽生とともに、エース格の町田だが、日本を引っ張るという過度な意識はない。「けん引するというより、後輩に格好いい背中を見せたい」と静かに闘志を燃やしている。

 25日のフリーは、ベートーベンの「交響曲第9番」。多彩なジャンプとステップを盛り込み、「自分の120%以上を出さなければ形にならない。想像を絶するぐらいの苦しみを味わうことになると思う。自分に負けずにやったら、その先に何かがある」と気合十分。「シンフォニックスケートの極北」という壮大なプログラムで、GPシリーズ4勝目を手に入れる。

 ≪主な今季ルール改正≫

 ☆ボーカル曲解禁 これまではアイスダンスのみ認められていたが、他の種目でも使用できるようになった。フリーで争われた4日のジャパン・オープンで日本の4選手は全員がボーカル曲で演じた。

 ☆ジャンプのミス厳禁 SPで必須要素となっているジャンプの回転数に足りない場合は無得点に。SP、フリーとも1回転半未満のジャンプは無得点になる。また、フリーの2回転は同じジャンプは2回までしか認められない。

 ☆エッジの厳格化 ジャンプの明らかな踏み切り違反で、基礎点が70%になる。3回転ルッツで踏み切り違反と判定された場合、昨季は6・0点だった基礎点が今季は4・2点に減点される。

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