大山“グレー”の完全Vライン見えた!12メートル沈めた

[ 2014年10月26日 05:30 ]

9番、バーディーパットを決め、ギャラリーの拍手の中ガッツポーズの大山志保

女子ゴルフツアーNOBUTA GROUPマスターズGCレディース第3日

(10月25日 兵庫県三木市 マスターズゴルフ倶楽部=6445ヤード、パー72)
 苦しんだ分、恒例のガッツポーズは大きかった。最終18番パー4。大山は8Iでピン奥5メートルにつけたバーディーパットをねじ込むと、右拳を何度も何度も振った。2位との差を3打に広げる意味あるバーディーフィニッシュ。「ショットがこんなに悪いのは久しぶり。でも悪い中、スコアをまとめられた」と充実感が漂った。

 不調のショットを補って余りある活躍をしたのがパットだ。6月のニチレイ・レディース初日後に、会場に近いゴルフ店で約2万2000円で自腹でパターを購入してから好転した。契約先のピンのものだが、メーカーのスタッフが会場を引き揚げた後で、調整ができず仕方なく足を運んで手に入れたものが武器となった。

 それ以降は優勝を含め、トップ10が5度と好調をキープ。この日の圧巻は9番だ。12メートル先のカップまで大山には「グレーのラインが見えた」という。これまでもパッティングがさえている時には、あるはずのない線がグリーン上に見えた。ここをねじ込んだだけでなく、8番でも5メートルを沈めるなどイメージ通りにパターを振れた。

 3日間、首位の座を守ったことで快挙も見えた。過去11回中、4日間首位に立ち続けた選手はいない。「このまま逃げ切りたい」と目を輝かせた大山が初の完全優勝となれば、3度目の大会制覇となりこれも初となる。

 援軍もいる。両親とともに応援に駆けつけてくれたのが公務員の長兄・秀樹さん(40)。オフの間、出勤前に大山のトレーニングに付き合ってくれたり、「体にいい物を食べなさい」などとアドバイスをくれたり面倒見がいい。「私をいつもリードしてくれる理想の兄」という。思い描くは感謝の気持ちを込め掲げる優勝カップ。「きょうが一番きつかったからあすはいいと思う」。最愛の家族の待つゴールへ、このまま独走する。

 ▼4位・アン・ソンジュ 手首が痛くて一打一打が大変でした。久しぶりに棄権を考えるほどの痛さがあった。芝が逆目のショットの際は怖さもあったが、うまく打てて良かった。(07年の全美貞=ジョン・ミジョン=以来、ツアー史上2人目の3週連続Vは射程圏)

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