日馬富士ガックリ…平幕に2敗で早くも綱消えた

[ 2011年9月15日 06:00 ]

豊真将(左)に押し倒しで敗れ、2敗目を喫した日馬富士

大相撲秋場所4日目

(9月14日 東京・両国国技館)
 大関・日馬富士の今場所の綱獲りが絶望的となった。平幕・豊真将に一方的に押し倒され、4日目で早くも2敗。いずれも平幕相手の黒星で、横綱審議委員会の求めるハイレベルな優勝には届かず、事実上の“終息”となった。大関獲りの琴奨菊は小手投げで豪風を下して無傷の4連勝。横綱・白鵬も若の里を下して全勝を守った。

 完敗で綱獲りがほぼ消滅した日馬富士は、土俵の縁でへたり込んだ。負け残りの土俵下では首を振り、目は少しばかり潤んでいた。

 まんまと奇襲にはまった。仕切り線から約40センチ離れて手をついた豊真将の立ち合いに「迷っちゃった。突っ張っていこうと思っていたけど…」と出足が鈍った。相手より低い体勢で頭から当たったが簡単に止められ、一方的に押し込まれて土俵を割った。「立ち合いが全然ダメ。当たっただけ。完璧に負けた。悔いも何も残らない」。支度部屋で取組を振り返る口調は諦めの境地だった。

 横綱審議委員会の内規では、昇進の条件は2場所連続優勝かそれに準ずる成績と定められている。貴乃花審判部長(元横綱、本紙評論家)は「まだ4日目だから。そういう(昇進の可否を判断する)時期じゃない。最後まで全力で頑張ってほしい」と奮起を促したが、現実は絶望的な状況だ。優勝の可能性は残っているが、残り11番に全勝しても横審が昇進の条件とする「14勝以上のハイレベルな優勝」には届かない。横審の沢村田之助委員(歌舞伎俳優)は「あんな相撲ではダメ。(横綱の)器じゃない。絶望的じゃなくて、絶望ですよ。4日間で平幕に2敗するようではねえ」と相撲内容にも不満を示した。放駒理事長(元大関・魁傑)は「難しいな。まだ3分の1も終わってないのに」と早すぎる優勝戦線脱落を残念がった。

 初の綱獲りだった09年名古屋場所は5日目までに2敗し、9勝に終わった。2度目の今回も4日目で崖っ縁に立たされ、2年前の悪夢がよぎる。日馬富士は「一日一番、自分の相撲を取ります」。場所前から繰り返すフレーズで出直しを誓うのが精いっぱいだった。

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