阿部“思い”果たせず涙 脱臼で無念の棄権

[ 2011年8月26日 06:00 ]

女子63キロ級1回戦で左腕を負傷、棄権し、引き揚げる阿部

柔道世界選手権第3日 女子63キロ級

(8月25日 フランス・パリ、ベルシー体育館)
 上野のライバルに成長した23歳の阿部が、まさかの初戦敗退に終わった。怪力エスピノサ(キューバ)との1回戦で、相手の背負い投げを受けると、左手を畳につき耐えようとしたが「いつもと感覚が違った」。左肘の脱臼で、あえなく棄権となった。

 「何もしないまま終わっちゃったなという、悔しい思いだけ。申し訳ない気持ちでいっぱいです」。東日本大震災で被災した宮城県石巻市の実家からは父・進さん、母・みや子さんも応援に駆けつけていた。「両親に勝てるところを見せたかった」と言うと、涙をこらえきれなくなった。

 今年6月のグランドスラム・リオ大会で優勝し、ロンドン五輪代表争いに加わってきたが、同じ所属の先輩に大きく水をあけられる結果になった。「一からやり直して、また大舞台に戻ってきたい」と気持ちを切り替えるのに必死だった。

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2011年8月26日のニュース