遼くん15位終戦…17歳最後の“勉強”

[ 2009年9月14日 06:00 ]

3日連続で池に入れている13番でティーショットをグリーンに乗せガッツポーズを見せる石川遼

 ワンアジア・ツアーの韓国オープン最終日は13日、韓国・天安市の牛汀ヒルズCC(7185ヤード、パー71)で行われ、石川遼(17=パナソニック)が“韓流”のピンポジションに苦しみ、17歳最後の大会で上位進出を逃した。この日は4バーディー、6ボギーの73で、自身初の韓国での試合を通算イーブンパーの15位で終えた。68で回った矢野東(32=フリー)が通算1アンダーで11位。昨年の韓国ツアー賞金王、ペ・サンムン(24=韓国)が通算10アンダーで18年ぶりの大会連覇を果たし、優勝賞金3億ウォン(約2300万円)を獲得した。

【遼君ヘッドカバー】

 猛チャージを誓った石川の前に立ちはだかったのは韓国流のピンポジションだった。1番で第2打をグリーン右サイド、ピンまで5メートルのカラーに落とすと、パターを使った第3打は下りの斜面に立つピンを2メートルもオーバー。返しのパットもカップに蹴られ、ボギーを叩いた。2番もボギー。「ピンポジションの難しさに苦戦した。まさかこんな難しい位置に切るなんて」と振り返った。

 日本ゴルフツアー機構関係者によれば日本や米ツアーでは「ナイスショットはきっちり止まるのがフェアとの考えから、基本的にカップは周辺1メートルが平たんな場所に切る」という。しかし韓国では傾斜している場所にカップが切られていることも当たり前。第1打から高い精度が要求された。

 優勝したペ・サンムンが「海外の選手には難しいかもしれないけど、これが韓国スタイル」と胸を張ったのとは対照的に、石川は3日連続で池ポチャした13番パー3こそ第1打を乗せてから12メートルを沈めバーディーを奪ったが、9番からは4連続ボギー。「ラフからのアプローチはスピンがかからなくて斜面で止まらない。ティーショットは飛ばすだけじゃなく、1ヤード刻みで計算しなきゃいけない」とコースマネジメントとショットの正確性を今まで以上に痛感した。

 17日に誕生日を迎える石川にとって17歳で戦う最後の試合だった。「17歳でメジャー3試合に出場して、去年のマイナビABCと今年の3勝と合わせて4勝もできた。順調という言葉を飛び越えている」と言う。それでも、次の1年に向けて「負ける時の方が普通。練習することを忘れちゃいけない」と向上心は尽きない。大会後はすぐに、誕生日に開幕するANAオープンに備えて帰国。「このコースでの経験は日本でも生きてくる」。韓国で得た財産は、18歳を迎える石川をまた成長させるに違いない。

 ≪矢野 手応えの11位≫最終日を68の好スコアで回った矢野は石川を上回る11位で終え「ショットはすごくいい。来週から楽しくなりそうな感触をつかんだ」と手応えを口にした。昨年、日本ツアーでは賞金ランク2位に入ったが、今年はここまで優勝はなし。連覇のかかる次戦のANAオープンを前に「韓国でつかんだものは確実にある」と巻き返しへ自信を見せた。

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2009年9月14日のニュース