ハギトモ復活!大会新で6年ぶりV

[ 2009年9月14日 06:00 ]

成年女子50メートル自由形決勝を25秒24の大会新で制し、声援に応える萩原智子

 新潟国体は13日、長岡市で行われ、競泳の成年女子50メートル自由形で、今季5年ぶりに現役復帰した萩原智子(29=山梨学院大職)が日本記録に0秒10と迫る25秒24の大会新記録で03年以来となる優勝を飾った。復帰後初の全国大会で自己ベストをマークして完全復活をアピール。低迷が続く日本の女子自由形短距離陣に、頼れるベテランが加わった。

 ハギトモスマイルが帰ってきた。ゴール後、電光掲示板でタイムを確認した萩原は一瞬悔しそうな表情を浮かべたが、観客席の大きな拍手が耳に届くと、大きな瞳を輝かせて手を振った。日本記録まであと0秒10の25秒24。自己ベストを6年ぶりに0秒09更新した予選から、決勝でさらに0秒01短縮した。100メートル日本記録保持者の山口ら国内トップ選手を抑えての堂々の優勝だった。
 「凄く気持ちよく泳げた。本当は日本新を出せればよかったけれど、自己ベストだったので満足です」
 6月の現役復帰宣言後、初の全国大会だった。プレッシャーに弱かった昔の姿はなく「大きな会場で泳げる喜びがあった」とレース前から笑顔が絶えなかった。水泳教室などのため週4~5回しか練習できなかったが、以前より頭を下げ、体を一直線に保つことで抵抗が減るように泳ぎを改良。「昔の感覚も残っていなかったので、全く新しい泳ぎにした」とブランクがプラスに働いた。
 かつては背泳ぎや個人メドレーを得意としていたが、来年4月の日本選手権は50メートルと100メートルの自由形に出場する予定。昨年の北京五輪を取材で訪れた時に「日本の女子自由形が決勝に残っていなくて悔しかった」という。ロンドン五輪もスプリンターとして狙う方針だ。来年4月には30歳。「山梨のワインもおいしいけれど、きょうは新潟のお酒を楽しみたい」。この心の余裕が今後も大きな武器になりそうだ。

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2009年9月14日のニュース