愛ちゃん 笑顔と涙の大学初V!

[ 2008年9月16日 06:00 ]

梶本主将が勝ち優勝をきめた瞬間、早大・福原(左から2人目)はチームメートの誰よりも高く飛び上がって喜んだ

 勝った、笑った、泣いた。卓球秋季関東学生リーグ戦1部最終日は15日、東京・代々木第2体育館で行われ、北京五輪代表の福原愛(19=ANA)が早大を春秋連覇に導くとともに、大学初タイトルを獲得した。淑徳大との全勝対決でダブルス、シングルスでともに勝利してチームをけん引。競技と学業を両立する難しさから今年1月には休学を検討したこともあったエースが、エンジのユニホームで歓喜に浸った。

 優勝が決まった瞬間、跳び上がって喜びを表現した。何度も手を叩き、最高の笑顔で隣の仲間とハイタッチ。選手通路に引き揚げた後はあまりの感激に、うれし涙がほおを伝った。「早稲田というチームみんなで勝った。優勝できて良かった。チームの一員でうれしく思っています」。めまぐるしく変化する福原の表情が、早大生として獲得した初タイトルの重さを物語っていた。

 春季リーグで初優勝を成し遂げた早大だが、福原は北京五輪を控えていたため不参加。今大会にかける思いは強かった。初日から11戦全勝。7試合に出場したシングルスでは1ゲームも落とさず、日本のエースの力を見せつけた。「挑戦者の気持ちで全試合戦いました」と格下相手にも油断はなかった。

 今年1月、競技と学業を両立する難しさから休学を検討したが、あきらめずに二兎(にと)を追うことを決断。昨年の春季2部リーグ以降、部活動に参加することがなかった福原を、今大会に向けてチームメートは温かく迎えてくれた。北京五輪から帰国後、初めて1週間以上、早大で練習をともにした。「ウチはみんな明るいし、愛ちゃんはなじんでますよ」と梶本主将。福原が出場したことで試合に出られなかった上級生も、裏方としてサポートしてくれた。だからこそ、優勝に貢献できたことがうれしかった。

 11月1日に20歳の誕生日を迎える福原にとって、今大会は10代最後の国内大会。数々の世界大会を経験してきたエースにも、この優勝は格別だ。「五輪と違う雰囲気で戦えたことはプラスになるし、自信にもなる」。大切なチームメートとつかんだタイトルで、また1つ大人への階段を上った。

 ≪男子の水谷は明大Vに貢献≫1年生エースが名門・明大を引っ張った。北京五輪代表の19歳・水谷は、早大戦でシングルスとダブルスで完勝。秋季1部リーグ4連覇、春秋通じて32度目の優勝に貢献した。「出だしは思い通りのプレーができなかったけど、いろんな大会を経験してきてるんで今回はそんなに緊張することなくできた」。10月からはさらなる飛躍を見据えて世界最高峰の中国スーパーリーグに参戦する。「生活面の不安はあるけど、卓球の不安はない」と力強く言い切った。

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2008年9月16日のニュース