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【旅ヂカラ漫遊記】世界に誇る絶景と絶品“地球の恵み”ごちそうさま

[ 2015年12月9日 05:30 ]

グツグツ煮え立つあんこう鍋。寒い季節に体が温まる~
Photo By スポニチ

 北陸新幹線が開業してにぎわう新潟県糸魚川市にあんこうの季節がやって来た。フォッサマグナやヒスイ峡などジオパーク(地球に関わる自然遺産)が織りなす、急峻(きゅうしゅん)な日本海の地形が生んだ海の幸。鍋で食べれば体はポッカポカ。同じ深海に棲むベニズワイガニも取れたてを丸ごと1杯平らげて大満足。“地球のおいしさ”ごちそうさまでした!

 09年(平21)に日本初の世界ジオパークに認定された糸魚川。標高2000メートル級の山々が一気に深い海溝へとなだれ込み、「どんぶか」と呼ばれる地形を形成。豊富な魚種をもたらしている。「だから遠くへ出なくても漁ができ、取れたてがすぐ能生(のう)漁港などに届くんです」と糸魚川市観光協会の滝川一夫さん。その代表があんこうで、茨城と並ぶ好漁場になっている。

 糸魚川駅でえちごトキめき鉄道に乗り換え、能生駅からタクシーで5分。新幹線開業に合わせ4月に新装オープンした道の駅「マリンドリーム能生」の地魚料理「番屋」であんこう鍋を味わった。種類は高級でおいしいとされるキアンコウのメス。見た目はグロテスクだが「東のあんこう、西のふぐ」といわれる代表的な冬の味覚だ。

 土鍋の肝が入った味噌仕立てスープを沸騰させた後、とも(胸・尾ビレ)、柳肉(身)、胃(水袋)、皮など「あんこうの七つ道具」や野菜を入れ、再び沸騰したらOK。肉は脂肪分が少なく淡泊で胃はコリコリ、ヒレと皮はゼラチン質のプリプリとした食感でコラーゲンたっぷり。仕上げはご飯を入れて雑炊だ。これで1人2500円。お得感はハンパじゃない。

 汗ばんだ体を冷やしに外へ出ると、家族連れやカップルが洗面器のような器に入ったカニにかぶりついている。ここが道の駅もう一つの名物ベニズワイガニの釜ゆでが食べられる「かにや横丁」。9軒の店のほとんどがカニ漁をして直売しているため1杯800~3000円とこれまた驚きの価格。新鮮さも抜群だ。

 「3杯買ったら2杯オマケ!」。おばさんの威勢のいい声が飛ぶ。釣られて1杯(2000円)購入。足を折って隙間なく詰まった身を頬張ると、肉厚感とほどよい甘味が口いっぱいに広がっていく。ズワイガニと比べても遜色ない。「そう、あんこうもベニズワイも味で負けていない。ならば安い方を食べましょう」。滝川さんの言葉に妙に納得させられた。

 ≪味わい深い秘湯で心ポカポカ≫小滝川ヒスイ峡の奥、姫川の上流で秘湯を見つけた。姫川温泉「ホテル國富翠泉閣」。川を挟んで向かい側は長野県というロケーション。メタケイ酸を含んだ掛け流しの温泉(ナトリウム―塩化物・炭酸水素塩泉)は肌に潤いを与える“美人の湯”。露天風呂は山あいの岩場にお湯が湧き出しているような趣で、3つの貸し切り露天風呂を無料で利用できるのもうれしい。あんこうフェアも実施する。

 ▽行かれる方へ 車は北陸道能生ICから7分。1月16日~3月末にあんこうフェア、1月24日から3週連続であんこう祭りを開催。かにや横丁は3月2日~12月末営業。ベニズワイは1~2月が禁漁で同期間は1軒営業。問い合わせは糸魚川市観光協会=(電)025(555)7344。

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