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【橋本マナミの恍惚のグルメ】注文後に粉から麺打ち わずか4分の職人芸

[ 2015年9月23日 05:30 ]

優しくて包容力があって…あぁ、思い出すだけでヨダレが出ちゃう
Photo By スポニチ

 食欲の秋。ラーメンが一層おいしくなる季節がやってきました。いま全国のラーメンファンがこぞって駆けつけているお店が東京駅近くのオフィス街にあります。7月にオープンした「麺や 七彩 八丁堀店」。お邪魔してみるとそこには驚きの光景が!お客さんが見ている目の前で、たくましい腕で何度もグイグイと…。あぁ、思い出すだけでヨダレが出ちゃう、毎日イキたくなる“推し麺”です。

 ラーメンといえば、ファストフードの代表格。さらに、このお店は東京駅から徒歩約10分、八丁堀駅から徒歩約3分のオフィス街。忙しいサラリーマンが客層の中心なのに、「打ちたてを提供したい」という思いから、注文を受けた後、粉から麺作りを始めます。注文後にゼロからスタートする、ラーメン業界初といわれる試みなんです。

 私が頼んだのは、「喜多方肉そば(煮干し)」(1070円)。店主の藤井吉彦さんが小麦粉を取り出し、かん水と合わせて、ゆっくりかき混ぜ始めました。

 麺打ちをするのは、カウンターにあるスペース。お客さんから全て丸見え。ここに並々ならぬ自信を感じます。かき混ぜ終わると台に移し、こね始めました。

 麺打ちって力仕事だからかな?Tシャツ越しに見える肩周りはムキムキ。油汚れの一切ない、白を基調とした清潔感あふれる店内で、屈強な男性がまっさらな台に向き合い、力を込める。その姿は、崇高な真剣勝負の武道のようで、私の背筋もピンと伸びてきます。

 さらに今度はめん棒で伸ばした後、麺状に均等に切って、手でもんで太めの縮れた麺に仕上げました。この麺打ちの過程をわずか4分でやってしまうんです。だから、オフィス街で堂々と打ちたて麺のお店を開けたんですね。

 運ばれてきた麺は光沢があって、口に入れると滑らかでチュルチュル。硬すぎずモチモチで舌の上で踊っているようです。小麦粉の甘みと香りも打ちたてならではでしょう。

 「たまらない食感ですね」と声を掛けると、藤井さんは「ありがとうございます。お客さんが口にした時にグルテンを感じるタイミングにするにはどうしたらいいか試行錯誤した結果なんです。こねる時に、そんなに力もかけていないんですよ」と説明してくれました。グルテンとは小麦などから生まれるたんぱく質で、粘りやコシを出します。スピード感のある麺打ちは計算し尽くされたものだったんですね。

 肉そばの麺の上に乗るチャーシューも力が入っています。低温調理で肉のうまみをしっかり感じる豚モモ、ジュワッとジューシーに煮た豚バラ。違うタイプの味に攻められてうっとりしてしまいます。煮干しのスープは深い優しさとパンチが同居していて、もう一つのメニュー「喜多方らーめん(しょう油)」(820円)は甘みと優しさに満ちています。毎日食べられる味わいです。

 藤井さんは「そう言っていただけるとうれしいです。それを目指してこの店を立ち上げたものですから。実際、僕たちも毎日食べています」とまかないを食べているところも見せてくれました。

 今月中旬には、濃厚な甘みのある岐阜県高根町産タカネコーンを使った「幻のトウキビの冷やし麺」(1000円)も期間限定で出されて人気でした。こうした限定メニューは今後もあるそうです。サプライズに弱い女性を引きつける魅力があふれます。めん棒を持つガッチリした腕に腕枕してもらっているような安心感と幸せに満ちたお店です。

 ◆橋本 マナミ(はしもと・まなみ)1984年(昭59)8月8日、山形県生まれの31歳。フジテレビのバラエティー「志村の時間」(10月13日スタート、火曜深夜0・55)にレギュラー出演が決定。1メートル68、B86・W60・H88。

 ◇麺や 七彩 八丁堀店 東京駅の東京ラーメンストリートでの営業を5月に終了後、7月に現在の店舗を開店。注文後の打ちたて麺は移転後に始めた。つけ麺(870円)、トッピングは味玉(150円)、ネギ(200円)、チャーシュー(250円)。東京都中央区八丁堀2の13の2。(電)03(5566)9355。午前11時~午後3時30分、午後5時30分~9時。火曜定休。

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