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【橋本マナミ 恍惚のグルメ】まんずうんめぇ~ とろっとろにメロメロ

[ 2015年6月3日 05:30 ]

同じ山形出身のご主人夫婦と意気投合し「一日店員」となった橋本マナ
Photo By スポニチ

 いまや“国民的愛人”となった橋本マナミ(30)による官能的食べ歩き企画「恍惚のグルメ」。今回は都内に残る“街の中華屋さん”の中でも創業55年の老舗「七面鳥」(杉並区高円寺)におじゃましました。同じ山形県出身のご主人と意気投合し、三角巾にエプロン姿のコスプレで「一日店員」にも挑戦。絶品のオムライスに「まんずうめぇ!」と山形弁丸出しになっちゃいました。 

 くたびれた暖簾(のれん)に、磨りガラスのサッシ扉の玄関。店内をのぞくと「いらっしゃい!」の声とともに、コの字形のカウンターが目の前に飛び込んできました。

 これぞ昭和の中華屋さん。カウンター奥の厨房(ちゅうぼう)から中華鍋を小気味良くふるう音が響き、テレビに漫画、新聞と“街の中華屋さん”の定番が全部ある。スポーツ新聞はもちろんスポニチ!しかも2部もありました!!

 日曜日のお昼だけど、とりあえずビール(大ビン550円)から。客が自分で冷蔵庫から取り出すのが決まり。栓を開けコップに注いだタイミングで出てきたのが、2つの小鉢。聞けば、女将さんが日替わりで作る突き出しで、この日はじゃがいものトマト煮とイカと魚のマリネ。これがおいしいんです!しかも無料。凄いでしょ!!

 期待が膨らむ中、店内のメニューを見ると、値段だけが紙の値札になっていたんです。戦後の「激動の時代」を変わらぬメニューで歩んできた、ご夫婦の実直さ、ひたむきさに胸がジーンと熱くなっちゃいました。

 まず注文したのは、一番人気のオムライス(630円)。タマゴの表面は堅めに焼き上げ、裏面はトロリやわらか。驚いたのは中のチキンライス。ご飯をしっかり炒めた中に「いり卵」がたくさん入っているんです!ただのケチャップ味じゃない、ビールにも合う硬派な“男味”のオムライスは、きっとチャーハンの調理法を採り入れているのかも!?しかも安いのにボリューム満点。優しさとたくましさに満ちた男味の包容力に、昼下がりからメロメロです。

 中華鍋を振っていたご主人の矢野根惇さん(71)は、俳優の笹野高史さんに似て笑顔がとっても素敵。奥様の民子さんも優しい笑顔で、なんか癒やされるなあと思っていたら、なんとお2人とも私と同じ山形県出身。思わぬサプライズがうれしくて「これ、うんめぇなあ」って山形弁が時々出ちゃいました(笑い)。

 1960年(昭35)に父親が創業。8年後、イトーヨーカドーに勤めていた惇さんが後を継いだ。店名は世田谷の老舗「成城大飯店」から暖簾分けされた際、その本家で戦後すぐの1947年(昭22)から新宿河田町にあった「七面鳥」から名前をもらったそうです。今は奥様と2人の息子さんと家族4人で切り盛りしています。

 メニューの「いりそば」(530円)はソース焼きそばのこと。成城大飯店時代からの人気メニューで、戦後すぐはそう呼んでいたんですね。こちらも、ただのソース味じゃありません。和&中華のダブル風味が加わったのか、どこか懐かしい味。「焼肉ライス」(700円)はしょうが焼き定食のことで、しっかりした味付けにご飯がすすむ、すすむっ!これははやるわけだべ。

 日曜日のお昼なのに開店と同時にお客さんが入り、ランチの閉店までずっと満席状態。かつては俳優の田中邦衛さんや市原悦子さんが通い、酒場ライターの吉田類さんやサッカー日本代表の長友選手も愛する店。まんずうめぇ~なあ。

 ◇七面鳥(しちめんちょう) ラーメン450円、湯メン500円、焼飯580円、野菜炒めライス550円、餃子380円。店頭には、さらに値段を安くした「本日のサービス品」が掲示される。東京都杉並区高円寺南4の4の15、JR高円寺駅から徒歩5分。(電)03(3311)5027。営業は午前11時30分~午後3時、午後5時30分~9時。土曜定休。たまに日曜との連休も。

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