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【コラム】戸塚啓

本田不在 トップ下は誰に!?

[ 2011年9月30日 06:00 ]

9月29日、厳しい表情で会見に臨むアルベルト・ザッケローニ監督(右)。左は日本サッカー協会(JFA)の原博実強化担当・技術委員長
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 10月7日のベトナム戦、同11日のW杯3次予選タジキスタン戦に挑む日本代表のメンバーが、9月29日に発表された。
【日本代表メンバー】

 9月上旬に行われた朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)戦とウズベキスタン戦では、本田だけでなく中村憲を直前で欠くことになり、4-2-3-1のトップ下のキャスティングが注目を集めた。北朝鮮戦では柏木が、ウズベキスタン戦では長谷部が先発で起用されたが、どちらも持ち味を発揮することはできず、後半から投入された清武が攻撃を活性化した。8月にデビューしたばかりの清武の活躍は、ザックの下準備が適切だったことを表わすとともに、トップ下の人材が意外なほど手元に揃っていなかったことを印象づけた。

 本田が引き続き不在となる今回も、ポイントはトップ下に誰を当てはめるのかになる。

 現時点では中村憲がメンバー入りしているが、ケガの回復具合によっては離脱の可能性も残されている。清武も同様だ。
そもそも、いまこのタイミングで彼らに無理をさせてしまうと、11月の2試合に影響が出るかもしれない。タジキスタン、北朝鮮とアウェイで戦う連戦こそ、3次予選のヤマ場である。長期離脱のリスクは避けたい。

 となると、トップ下は誰になるのか。

 普通に考えれば香川を起用すればいいはずだが、ザックは後半の勝負どころで彼を中央へ移すことを好む。そうなると、コンディションに問題がない前提で、中村憲がファーストチョイスに浮上してくる。あるいは藤本だ。
本田と柏木がいない今回のメンバーで、藤本はアタッカー陣で数少ないレフティーだ。タジキスタンがディフェンシブに臨んでくると想定すれば、リスタートの有効活用は不可欠である。高精度の左足を持つ彼が、復帰を果たした大きな理由だろう。

 個人的には原口を試してほしい。出場機会のなかった9月の2試合を助走と位置付ければ、そろそろ実戦で起用していいはずである。10月7日のベトナム戦では、後半途中から原口を左サイドで起用し、香川をトップ下へスライドするオプションを見てみたい。

 中村憲や清武が離脱となった場合は、誰を追加招集するのか。谷口が候補に上がってくるのでは、と推測する。

 ここ最近の増田、ハーフナー・マイク、原口らの招集は、8月のトレーニングキャンプが下敷きとなっている。若手主体で行われたこのキャンプには、谷口も招集されていた。ボランチ、トップ下、セカンドトップなど複数のポジションでプレーでき、ゴール前へ飛び込んでいく強さも備える。勝ち点3を確実につかみたいタジキスタン戦の位置付けを踏まえると、彼をメンバーに入れておく価値はあると思う。(戸塚啓=ポーツライター)

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