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「このタイミングで」ブラジル、ベルギー戦

日本代表に初選出された浦和MF長澤和輝
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 当たり前のことだが、代表選手の選定は代表監督の専任事項だ。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督の決定は尊重されなければならない。

 それにしても、このタイミングで思い切った人選である。11月のブラジル戦とベルギー戦に臨むメンバーに、指揮官は本田圭佑、岡崎慎司、香川真司を選ばなかった。10月の2試合でポジティブな印象を残した小林祐希、3トップの左サイドからCF大迫勇也と連携した武藤嘉紀も、リストから外れている。

 代わってメンバー入りしたのが森岡亮太であり、長澤和輝であり、興梠慎三だ。

 森岡はヨーロッパへ渡った16年から、継続して結果を残してきた。今季は加入1年目のベフェレンで、すでに6ゴールをマークしている。10月のテストマッチでの招集も予想されていたひとりで、驚きではないだろう。

 興梠はJ1リーグの得点ランキングで首位に立つ。周囲を生かすポストワークは秀逸で、オーバーエイジで出場した昨夏のリオ五輪では素早くチームにフィットした。クラブで結果を残してきた意味では、この31歳の招集も妥当である。得点ランク2位の杉本健勇も、引き続きチャンスを得た。

 長澤もここ数試合は印象的だ。継続的にアピールをしてきた選手ではないが、ハリルホジッチ監督の判断ではテストに値するということなのだろう。あとは、長澤自身が答えを出せばいい。

 もっとも、ブラジルとベルギーは世界のトップ・オブ・トップである。「このタイミングで」と書いたのは相手との力関係を考えるからで、国際経験の少ない選手や初代表の選手に即答を求めるのは、率直に厳しいと言わざるを得ない。攻撃の選手も守備の局面にばかり立たされて、テストにならない可能性もある。

 正反対の考え方も成立する。このレベルで通用しなければロシアW杯には連れて行けない、という基準のもとでハリルホジッチ監督がテストに踏み切るとすれば、それもまた意味のあるトライと言える。本田、岡崎、香川らを招集しなかったのも、彼らならどれぐらいできるのかがイメージできているからかもしれない。

 ロシアW杯の開幕は約8か月後だが、実質的な強化期間は少ない。11月のテストマッチを終えると、次にチームを編成できるのは来年3月のAマッチウィークだ。その次はW杯開幕直前である。

 振り返れば4年前の11月も、国際Aマッチ出場が少なかった大迫や柿谷曜一朗、山口蛍らがアウェイのテストマッチで起用され、ブラジルW杯のメンバー入りへとつながる結果を残した。13年夏の東アジアカップで優勝という結果を残していた彼らと、現在の森岡や長澤を同列で語るのは無理があるかもしれない。それでも、限られた時間でチームを一歩でも前進させるために、ハリルホジッチ監督は「このタイミングで」思い切ったテストに踏み切ったのだろう。

 それはまた、「計算の立つ選手」へのメッセージでもある。本田、岡崎、香川、武藤、小林らは、所属クラブからの巻き返しを期すはずだ。彼らが所属クラブでどのようなプレーを見せていくのかは、ブラジル、ベルギーとのテストマッチと同じくらいに興味深いものがある。(戸塚啓=スポーツライター)

[ 2017年11月1日 20:00 ]

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