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【コラム】戸塚啓

日本代表 4年後の注目株として外せない選手

[ 2018年7月19日 06:00 ]

セルクル・ブルージュ(ベルギー)へ移籍した日本代表DF植田直通
Photo By ゲッティ イメージズ

 7月18日からJ1リーグが再開された。W杯期間中も通常のスケジュールを消化してきたJ2、J3と合わせて、国内リーグはいつもの風景を取り戻した。次のカタールW杯へ向けた4年間が、本格的にスタートしたわけだ。

 日本代表の新監督は、誰になるのだろう。早ければ今週中にも方向性がはっきりするはずだが、ここで取り上げたいのは選手である。

 W杯後の恒例とも言える企画に、『4年後の日本代表のスタメン』を予想するものがある。一般的には、期待値込みの選考になることが多い。今回のタイミングなら、22年のカタールW杯を20代後半で迎える久保裕也(ヘント)、中島翔哉(ポルティモネンセ)、浅野拓磨(ハノーファー)、植田直通(セルクル・ブルージュ)らのリオ五輪世代や、20年の東京五輪を狙う世代がピックアップされる傾向が強まる。レアル・マドリードの下部組織に所属する14歳の中井卓大や、17歳になったFC東京の久保建英らは、4年後の注目株として外せない選手たちだ。

 そのような企画を任されることになれば、もちろん僕も中井や久保を選ぶ。ただ、違う思いも抱く。

 たとえば、14年のブラジルW杯でメンバー入りしながら、ロシアW杯の出場を逃した選手たちは、22年のカタールW杯の出場を諦めているのか。すでに代表チームの構想から外れてしまっているのか。そんなことはないだろう。

 清武弘嗣(セレッソ大阪)、柿谷曜一朗(セレッソ大阪)、齋藤学(川崎フロンターレ)らは、年齢的にも4年後を狙える選手たちだ。ブラジルW杯の控えGKだった西川周作(浦和レッズ)と権田修一(サガン鳥栖)らも、カタールを意識していい。

 西野朗監督には招集されなかったものの、ロシアW杯出場を射程としてきた中堅層も少なくない。海外でプレーする選手なら、森岡亮太(アンデルレヒト)や小林祐希(ヘーレンフェーン)は4年後も十分に期待できる。スペイン2部のヒムナスティックで研鑽を積んできた鈴木大輔は、新たな所属先が決まり次第代表でテストしてみたい選手である。

 国内なら谷口彰悟、車屋紳太郎(いずれも川崎フロンターレ)、杉本健勇(セレッソ大阪)、小林悠(川崎フロンターレ)、金崎夢生(鹿島アントラーズ)、伊東純也(柏レイソル)、川又堅碁(ジュビロ磐田)らが、ヴァイッド・ハリルホジッチ元監督のもとで可能性を示した。小林は30歳で、川又は28歳だ。「中堅」の枠からはこぼれてしまうかもしれないが、32歳や34歳でW杯に出場する選手は例外ではない。4年後の可能性を膨らませるのは、誰でもない彼ら自身である。

 日本代表入りの経験はないものの、天野純(横浜F・マリノス)や原川力(サガン鳥栖)らも、本気で4年後を目ざしてほしい選手だ。

 10代後半や20代前半の選手たちの将来性は眩しいが、18年現在の中堅やベテランに目を向けないのは無理やり過ぎる。7月18日に再開されたJ1リーグで、4年後へ向けた選手たちの決意や覚悟を感じたいものである。(戸塚啓=スポーツライター)

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