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澤、世界初の6度目W杯!「正直ドキドキしていた。泣きそう」

[ 2015年5月2日 05:30 ]

ミニゲームでゴールに万歳して喜ぶ澤

 なでしこにレジェンドが戻ってきた。日本サッカー協会は1日、女子W杯カナダ大会(6月6日開幕)で連覇に挑む日本代表23人を発表。昨年5月のアジア杯を最後に代表から外れていたMF澤穂希(36=INAC神戸)が選出され、男女通じて初の6大会連続W杯メンバー入りとなった。大会初戦時点での36歳9カ月は、なでしこ史上最年長。前回大会のMVP&得点女王は、ピッチ内外でチームの支柱となる決意だ。

 クラブハウスの別室にいた澤に向かって若手チームメートが大声を張り上げた。「澤さん、入りました!」。男女通じて初の6大会連続W杯を意味する約1年ぶりの代表招集。必死で涙をこらえ、澤は笑顔で仲間の祝福を受け入れた。

 「正直、私自身はドキドキしていた。うれしかったし、正直泣きそうだった」

 W杯の前身となる第2回世界選手権に出場したのは16歳の時。「ただただ圧倒された」。世界との差を痛感してから節目の20年がたち、今回は最年長でのW杯となる。「今までとは違う気持ちで迎えた」だけに喜びは大きい。「自分が経験してきたことを今回のW杯で発揮したい」。無数のフラッシュを浴びた会見では、合間に安どの表情を浮かべた。

 昨年5月のアジア杯で初優勝に貢献したにもかかわらず、10月のカナダ遠征で選考から漏れた。「W杯も外れるんじゃないかって周りが凄い動揺しちゃって…。でも代表であろうとなかろうと澤穂希に変わりはない。全然悲観してない」。その気持ちにうそはなかった。

 だが今季に入ると徐々に気持ちが変わった。14歳の時から澤を知る松田岳夫氏がINAC神戸の監督に就任。ハードワークを求める練習に体を、毎日違うメニューに頭を使い、サッカーの楽しさを再認識した。リーグ戦全5試合フル出場で2得点。「私、試合に出られなくても何でもするよ。ドイツ大会の時に(当時最年長36歳の)山郷さんが(主将の)私を支えてくれたように」。そして運命の日を翌日に控えた4月30日、「ここまで来たらやっぱり選ばれたい」と本音を漏らしていた。

 「チームの中に彼女のエキスが入ることでパワーアップする。ピッチ内外でチームの柱として頑張ってもらいたい」という佐々木監督の要望に澤もうなずく。「練習からみんなの背中を押せるよう、チームが上へ行けるよう経験したことを伝えたい。とにかくプレーで魅せる」。日本中を歓喜させた決勝の米国戦での同点ゴールから4年。なでしこの背番号10は、やはり澤しかいない。

 ≪男子最多はW杯5回出場≫36歳9カ月(大会初戦)の澤が6大会連続でW杯代表メンバー入り。前回ドイツ大会のGK山郷のぞみ(36歳5カ月=大会初戦)を抜く代表史上最年長でのW杯選出となった。すでにW杯5回出場は歴代最多タイ記録で、6回出場となれば新記録となる。ちなみに男子のW杯最多出場は5回(3人)。
 
 歴代5回出場は澤を含めて5人いるが、既に3人が現役引退。澤以外の現役は、澤と同様に95年から5大会連続出場している37歳のフォルミガ(ブラジル)がいる。今大会のブラジル代表は未発表だが、フォルミガは3月のアルガルベ杯に選出されており、澤と並ぶ6回目の出場が有力だ。

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