G1地区選手権

【まるがめG1 四国地区選手権】香川支部VS徳島支部 注目は森高&山田

[ 2018年2月8日 05:30 ]

香川支部の森高一真
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 さあ、四国チャンプを決めましょう。ボートレースまるがめを舞台に、G1四国地区選手権が9日に開幕。今回は香川・徳島の両支部から森高一真、山田祐也の2人をピックアップする。

◎森高一真 初の地区戦Vへ

 初出場のグランプリで、トライアル1stを勝ち抜いて2ndに進出。優勝戦進出こそ逃したが、ボート界最大のレースを6日間味わい尽くした。そして森高は新境地を開いた。

「残り4日間、12人に残ってからの考え方が甘かった。お手々(テクニック)もエンジンの仕上げも、スタート力も…。総合的に足りない。カベがあった」

 13年の津チャレンジカップでSG初優勝。しかし、この年はGP出場の12人枠(当時)に入れず、次点で涙をのんだ。昨年は1年間SGとG1でコンスタントに好成績を挙げて、念願の夢舞台出場。1stの2戦目にインから勝って、6着、1着で頂上決戦への挑戦権を得る2nd進出を決めた。その2ndは6着、3着、4着4着。高いカベに阻まれた。

「グランプリは、シリーズに出てたときからずっと見ていたけど全然違った。経験して初めて分かることもあった。もちろん、もう1回出たいし、早いうちから意識していきたい」

 昨年、GP初出場の原動力になったのは、まるがめで行われるSGオーシャンカップの存在だった。このSGに出場するためには、1年間G1で好成績を出し続けないといけない。そして、選考期間内にG1優勝1回、準Vと3着を2回ずつ挙げて出場決定。このときに積み重ねた賞金が、後々の獲得賞金バトルにも大きく影響した。今年は地元でSG1回、G1は今回も含めて2回行われる。ここで好結果を出せば、おのずとGPへの道は開ける。

 「今年は早くグランプリへのメドをつけたい。1年間ずっと頑張り続けるのは長いし(笑い)」

 地元G1はすでに勝っている森高だが、まだ四国チャンプにはなったことがない。今回は初日「スマイル君ドリーム」1号艇から初の頂点を狙う。

 ◆森高 一真(もりたか・かずま)1978年(昭53)6月3日生まれの39歳。香川支部所属の85期生。SG1V、G13V。昨年、デビュー18年目で初のグランプリ出場。

◎山田祐也 若手ホープが上位進出狙う

 01年の田村隆信以来、15年ぶりに徳島から誕生した最優秀新人として臨んだ昨年は、5つのG1と若松メモリアルでSGに挑戦。山田にとって、実りのある1年となった。

 「今まで画面越しでしか見たことがなかったSGを走って、自分が思っていたより上の選手とは大分差があることがわかった」

 昨年の鳴門第60回大会でG1デビュー。その後、蒲郡ヤングダービーや地元周年など、最優秀新人特権もあってG1、G2を走る機会に恵まれた。SGも含めてすべてのシリーズで1勝以上挙げたが、予選突破はゼロ。1着が取れた反面、ゴンロクも同じくらい取って予選突破の厚いカベに阻まれてしまった。

 特別戦線ではまだ通じなかったが、逆に一般戦では16年以上の成績を挙げた点を高く評価したい。3月に浜名湖。11月には鳴門、浜名湖ルーキーを連続優勝。最優秀新人イヤーの2Vを上回る3Vをマークした。

 「またSGを走りたいし、いつもお世話になっている田村隆信さんたちと同じ舞台で戦いたい」

 前期にSG、G1で苦戦した影響で今期はA2暮らしだが、「早くA1に戻りたい」と闘争心に火がついて、今期は早くも31勝。これは今回の参加メンバー中でトップの数字だ。そしてA2とはいえ、今回のG1に2月はからつ、3月三国でG2に挑戦予定とモチベーションを高く保つ材料はたくさんある。

 G1初出場だった昨年のこの大会は、4コースで2勝、5コースから1勝と節間3勝を挙げたが、3日目の転覆失格で上位進出を逃した。今年こそ予選突破したい。そしてさらに上のステージへ。徳島支部は若手の質、層の厚さが全国でも上位クラス。その中心にまで成長した山田が、一気に殻を破る可能性は十分ある。

 ◆山田 祐也(やまだ・ゆうや)1989年(平1)7月6日生まれの28歳。徳島支部所属の112期生。16年の最優秀新人で、スター性のある顔と知名度を持つ18年全国最強のフレッシュルーキー。

 ◎注目モーター

 現モーターは昨年11月末から使い始めて、今節が9節目。まだ1節ごとに2連率が5%以上変化することも多々あって、数字はうのみにできない。

 エース機は『17』だ。初おろしのオールレディースで6コースから海野ゆかりが優勝。このときは安定板、荒れ水面の影響もあったのかと思われたが、その後使った4人も全員がトップ級。とくに伸びが強力だ。

 『38』も毎回上位級に仕上がる。どちらかといえば伸び型だが、17号機よりも実戦向きの印象を受ける。

 初おろしから3節連続優出して、最初にエース機候補に挙がったのは『40』。しかし、その後2節が未勝利、2着1本とさびしい。乗り手に恵まれているが、実戦気配も良い『26』を3番手に推したい。

 40号機と並んで3優出の『44』は、3選手全員が地元A1級だった。今節も地元有力選手が引けば楽しみがある。1V、準V1回の『48』は出足型。伸びは中堅にすらならない節もあって過信できない。『12』、『49』もよく名前を聞く良機だが、どちらもプロペラの形がかなり特殊で乗り手を選ぶ。その他では『7』、『10』、『27』、『36』、『63』に注目。

 なお、ボートは昨年7月のオーシャンカップから使用して8カ月目。2連率1位は「27」だが、18勝、2着36回と2着が多いのが特徴だ。優出は2回で優勝はない。1着が最も多いのは29勝する「6」で、優勝が多いのは「18」、27勝する「44」の2回だ。

 ◎総展望)

 地元香川勢の中心は、初日メインのスマイル君ドリーム1号艇にシードされた森高だが、他の地元勢ではまるがめG13勝、G21勝の実績がある重成に、SG1勝、G12勝の三嶌が上位を形成する。この3人に片岡、村越、今年の正月戦を優勝した中岡の計6人がWドリームに出場。点増し競走を走れる分だけ少しだけ優位に立つ。

 他では、地元若手の顔的存在になった近江が、どこまで活躍できるか注目したい。女子は山川、平高、中村桃の3選手が出場する。この3人は、昨年は全員が準優に進出した。ご存じ山川は、歴代覇者に名を連ねるひとり。平高はF2が影響しそうで割り引きたい。今期7点台の復調の兆しを見せる中村桃は、準優進出以上の期待もかけたい。

 対する徳島勢は、浜名湖クラシックの出場権を持っている選手が不在。SG出場権をかけた戦いに挑む。昨年の覇者で、2日目メインのなるちゃんドリーム1号艇に選出された田村が筆頭格。今期だけでG12優出、GPシリーズでも準優進出と戦歴は一番だ。

 市橋、興津、林が田村を追う。3人の共通点は、まるがめで行われたこの大会の歴代覇者である点。林と市橋はG1初Vだった。若手代表でWドリームに選出された島村にも注目。大村誕生祭、からつ周年と連続で予選突破と地力強化が著しい。意外性のある菅、今期はA2だが、地力は間違いなくA1の山田にも上位進出のメは十分ある。

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