G1地区選手権

【まるがめG1四国地区選手権】丸亀VS鳴門 あす“開戦”

[ 2016年2月4日 05:30 ]

オーシャンC出場へ優出が最低ノルマとなる田村隆信
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 まるがめボートのG1「第59回四国地区選手権競走」は、5日から10日までの6日間で争われる。永遠のライバル!? 香川VS徳島のガチンコ“四国ダービー”。クラシック出場選手が不在の香川勢はSG出場権を狙って、徳島勢は7月の鳴門オーシャンカップ出場を狙って、それぞれ大切なG1となる。ダブル・ドリームの1号艇を得た田村隆信、重成一人を中心とした激闘に期待しよう。

 ◆田村隆信(徳島支部)
 ~地元SGへ~
 13年11月の当地ダイヤモンドカップ優勝戦。前付けで2コースを奪う進入からF前のきによる繰り上がりで、田村は重要な一戦を制した。この優勝で激烈な賞金バトルに競り勝って、グランプリ12人の枠(当時)に入ることに成功。「あとで『あのときにこうすれば良かった』と後悔するレースはしたくなかった」と自分の信念を貫き、勢いづいたこの年のGPはファイナルまで進出した。

 今年は年頭からがけっぷちに立たされている。その理由は、選考期間が4月末に迫った地元・鳴門のオーシャンカップに出場するためだ。スタート事故による出走回数不足により、昨年7月から12月までA2に降格。この期間はG1の配分がなく、出場&優出ポイントはゼロ。現時点で出場できる可能性は低い。

 ~気合が充満~
 「鳴門でSGが行われることはないと思っていた。開催が決まったときから出場、優勝を目指している」

 4月までにG1で最低2優出、それも優勝か準じるほどの上位着順を取らないと厳しい条件。それでも、グランプリ勝負駆けの修羅場を何度となくくぐり抜けてきた精神力、技があれば今回も必ずやファン、関係者の期待に応えてくれるものと誰もが信じている。

 2日目の『なるちゃんドリーム』1号艇が確定しているが、勝負は初日の1走目から始まっている。G1・3V、昨年だけで一般戦2Vの“超ドル箱水面”で、地元SG出場へ浮上するきっかけをつかみたい。注目しよう。

 ◆重成一人(香川支部)
 ~自分の型で~
 誰のマネでもない。そして、誰もマネできない独自路線の“重成流”は今年も健在だ。ワーストモーターを操って、今年の当地正月戦を優勝。8年ぶり2回目の大会制覇を狙う。

 「エンジンを出すために極端な調整をすることはないけど、自分の感覚に合わせるためなら極端な調整もしますよ」

 この言葉から分かるように、機力をさほど重要視していないし、上位級を目指して整備することもない。過去にはエース格のモーターを引いてサッパリだったこともあるし、前述した正月戦のようなこともある。そして、重成の次に使う人が「これ、本当に前回良かったの?」と首をかしげる場面は“恒例行事”だ。

 ~経験生かす~
 代わりに、体感、ターン回りを求めるためにプロペラはいろんな形に叩く。その過程でゾーンを見つけて正解を導く。正月戦は準優と優勝戦がイン戦の勝利。昨年のGW戦は準優進出戦から準優、優勝戦と逃げ3連発で決めた。昨年のこの大会は準優が逃げ切り勝ちで、優勝戦は逃げる市橋卓士を差し切るかの勢い。準優勝戦で良い枠が取れているときは、自分の型にハマっているとみていい。

 「今年の大会も今までの蓄積を生かして戦うだけ。若手の登竜門的な大会になるといいですね」

 中村晃朋らの師匠として積極的に若手の育成にも力を注ぐ。香川支部の発展に貢献するひとりだが、もちろんその頂点には自分が立つ。受けて立つ意気込みで今年の大会に挑む。

 ◆市橋卓士(徳島支部)
 ~ブレークの原点…連覇狙う~
 昨年は五つのSGに出場して予選突破が2回。蒲郡メモリアルでSG初優出も経験した。市橋のブレークのきっかけとなったのが、1年前のこの大会。差してきた重成を振り切ってG1初優勝を決めた。

 「去年がピークとならないような年にしたい」

 今年は現時点で出場濃厚なSGがグラチャンだけ。クラシックも、地元鳴門で行われるオーシャンカップも現時点では黄信号だ。

 昨年はSG以外でも存在感を示した。4月桐生MB大賞では予選首位通過→優勝戦1号艇(【2】着)。9月三国周年も、予選を首位で突破した(準優3着)。G1で上位級までモーターを仕上げたり、V争いできる力をつけている。

 大会連覇ならクラシック出場当確。オーシャンカップ出場にも近づき、あわよくばオールスター、メモリアルの他力系SGのチャンスも巡ってくるかも。大事な大事なシリーズになる。

 ◆森高一真(香川支部)
 ~試行錯誤の先に大きな目標~
 巻き返しの2016年にするために。森高の挑戦は昨年末から始まっていた。

 「記念やSGは乗りやすいだけでは通じない。伸びをつけないとレースができない。去年は伸びを中途ハンパにつけようとして良くなかった。今年は伸びをつける方向性も考える」

 ファンの資金がかかっているレースだから『試す』という言葉は使いたがらない。やるからには徹底してやる。昨年12月の大村誕生祭、からつから新しい形でのレースが始まり、正月のまるがめでは優勝戦でチルト3度も選択した。まだターン回りとの両立は果たせていないが、伸びを来させる調整はできていた。

 「(四国地区選手権は)SGの権利獲りでいく」

 11年の京極賞以来の地元G1・2勝目を狙って、今年は“新生・森高一真”の姿が見られるかも。もちろん視線の先には、四国チャンプだけでなくグランプリロードを見すえている。

 【先行予想】
 ~最近10年は香川5勝―徳島5勝 福田と興津が各2勝ずつの活躍~
 最近10年は香川5勝、徳島5勝の五分。水面による有利不利はなく、今年も互角のV争いとなりそう。

 その筆頭格は田村か。A1に返り咲いて迎えたG1復帰戦の尼崎周年は散々な成績だったが、2走目の徳山周年では実戦勘も戻ってきた印象だ。減量にも本腰を入れてV獲りだ。

 地元勢は今年も重成、森高のツートップ態勢。初日ドリーム1号艇の重成に、多少の分がある。森高はこのタイトル初Vを狙う。

 最近10年の覇者では、福田と興津が各2勝ずつ挙げる。ともに冬場を得意としており、安定板がつくような水面も乗りこなす。昨年G1初優出を決めた上田も難水面巧者だ。

 優勝戦6ピットを徳島支部で固めるくらいの気合で臨む徳島勢。当地ブルーナイターでG1初優勝を決めた市橋、林の2人にも注目したい。現モーターの初おろし節で初めて完全優勝を決めた烏野も、近況は復調ムードだ。

 女子のレベルが全国一の四国。1月のオールレディースで優勝した平山、優出した平高は男子と互角の勝負が期待できる。その他、実績組では三嶌、中岡ら、新興勢力組では片岡、島村が楽しみな存在。

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