G1地区選手権

【鳴門G1 四国地区選手権】絶対的エース田村「とにかく優勝狙う」

[ 2019年2月9日 05:30 ]

徳島支部のエース田村隆信
Photo By スポニチ

 勝つのは地元の徳島勢か、はたまたお隣の香川勢か。G1第62回四国地区選手権競走は10日に開幕する。全国で唯一、2つの支部による地区選。対決の構図が分かりやすくておもしろい。そこで両支部の大将格である田村隆信と重成一人に話を聞いた。

◆田村隆信「今年はグランプリに出たい」

 徳島が誇る絶対的なエース・田村隆信が、2年ぶり3度目となる地区選制覇に向かう。栄誉ある初日ドリーム戦1号艇という期待に応えたいところだ。

 「地元なんでね、とにかく優勝を狙っていきます」

 前回鳴門で行われた17年地区選の覇者。“ディフェンディング・チャンピオン”として臨むことになるが、それへの特別な気持ちはなく、地元でのレースということに対して気合をみなぎらせる。

 「鳴門ではグレードに関係なく、常に優勝したい。自分が出場している以上は、自分が優勝したいと思っています。ただ、引くエンジンによります。本当にアカンやつ引いたらアカンですから。真ん中より上のエンジンを引けたら優勝を意識して走ります」

 今年は出場節すべてで予選突破と、まずまずのスタートを切っている。昨年はエースとしては不本意と言える一年だった。SGは4節の出場にとどまり、優勝も11月若松周年の一度。巻き返しを図る意欲は十分だ。

 「去年はエンジンに振り回された一年だったかな。今年はグランプリに出たいです。自分で流れを切らさないようにしたい。結果的に“流れに乗れた一年だったな”と思える年にしたいです」

 グランプリの舞台は14年から遠ざかるが、3月の戸田クラシック出場権はすでに獲得。SGでのスタートダッシュを決める準備はできている。5年ぶりグランプリ出場を見据えて、地区選Vからリズムに乗る。

◆重成一人「徳島支部には獲らせない」

 2日目ドリーム戦の1号艇を任されている重成一人が、香川の大将格として静かな闘志を燃やしている。優勝を果たしての戸田クラシック出場権ゲットあるのみだ。

 「戸田に中越(博紀)を一人で行かせるのは申し訳ない。そのために自分が優勝したいという意気込みは強いし、自分ではなくても香川支部から、という気持ちです。徳島支部には獲らせませんよ」

 香川の男子でクラシック出場権があるのは、SG初出場となる中越ただ一人。経験値ある重成との出場となれば、中越も大舞台で存分に力が発揮できることだろう。

 今回の地区選は出場選手の半数以上がA2級。当然、実力上位なのだが、油断はない。

 「自分で言うのははばかられるけど、迎え撃つ立場。ただ、だからこその怖さがあります。自分は準優とかでFを切ったら、ペナルティーでG1に出られなくなる。勝負どころでここ一番のスタートを来られたら、という怖さですね」

 下克上を狙うイキのいい選手を警戒するが、それはかつての自身に重ね合わせてのこと。08年まるがめ地区選を5号艇からの前付けで、3コース捲りで制したときを振り返って「捨て身戦法でしたね」と笑う。今回はしっかりと受けて立ってみせる。

 G1ビューを果たしたのは弱冠20歳。99年2月の鳴門地区選だった。「親父(元選手の達郎氏)と初めて一緒に行ったG1。やっと5日目に勝たせてもらったんですよ」。ちょうど20年のときを経て、思い出の舞台で頂点に立つ。

◆総展望

 出場選手は徳島22人に対して香川は30人と、数的に圧倒的優位と言っていい。

 優勝候補として重成とともに真っ先に名を挙げられるのは、13年の津チャレンジカップ覇者・森高一真だ。昨年後半は絶不調で、1月からはA2降級となってしまったが、実力上位に疑う余地はない。意外にもこれまで地区選制覇はなく、うっぷん晴らしの初Vといきたいところだ。

 片岡雅裕は昨年11月の芦屋チャレンジカップ準優勝戦で、道中3番手から松井繁をかわしてSG初優出。勢いは十分と言える。ファンに新時代の到来を予感させた若武者は、今節中の11日に33歳となる。自らへの誕生日祝いで、17年びわこ周年以来となる2度目のG1優勝を飾りたい。

続きを表示

バックナンバー

もっと見る