G1地区選手権

【尼崎G1近畿地区選手権】強豪男子に挑む 注目女子レーサー

[ 2016年2月5日 05:30 ]

昨年7Vと大活躍した遠藤エミ
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 予想もレースも女子にお任せ! G1第59回近畿地区選手権は6日に開幕。大一番を前に女性たちが熱く燃えている。本紙尼崎担当の女性記者・是石真紀記者もその一人。オススメ選手、エンジンなどを“コレっ!”とズバズバ斬ってくれた。水面では遠藤エミ、中谷朋子の女子2人が強豪男子にチャレンジ。万舟券、当てます、出します。女性市長の街・尼崎でレディース旋風吹き荒れよ!

 ◆大穴期待は遠藤エミ 全速戦で旋風巻き起こせ
 ~昨年蒲郡メモリアル 準優進出目前の活躍~
 旬の女子レーサーが近畿地区選に斡旋された。昨年は7Vの大活躍。3月のSGクラシック初出場を早々に当確させている。その勢いは年が明けても衰えることを知らない。1月の宮島で早速、優勝をかっさらった。準優は1号艇で取りこぼしたものの、4号艇の優勝戦で準優の借りを返す辺り、強さが増したと言えよう。間違いなく今、もっとも勢いがある女子。今年もさらなる“エミ旋風”が全国で吹き荒れそうだ。

 「昨年は7回優勝できたけど、今年はもっとしたいですね。宮島で優勝できたし、いいリズムで1年間を戦えそうです」

 あくまでもドン欲だ。それは昨年の悔しさがあるからに他ならない。それが福岡・クイーンズクライマックス。トライアル1回戦を1着で滑り出しながらファイナルに進めなかった。枠番抽選の悪さを割り引いても、遠藤の実力から思えば非常に物足りない結果だ。
 「とにかくまずクイーンズクライマックスに出場することは目標です。そして、昨年はトライアルで敗退したので、最後まで進みたいですね」

 悔しさを抱えながらの2016年となる。絶対にリベンジ。その意味では宮島の優勝は大きな弾みとなる。その勢いで乗り込むのが今回の近畿地区選手権。全国最強地区の銘柄級に挑戦する。

 遠藤なら好勝負は可能だろう。SG初出場となった昨年の蒲郡・メモリアルが記憶に新しい。強豪男子を相手に準優進出目前の大活躍を見せた。予選ラストがエンスト失格だったため残念無念の予選落ち。ただSGでも通用することをファン、そして強豪男子選手たちに示すことはできた。

 遠藤は全速戦で攻めるレースが持ち味だ。女子は何と言っても軽量が武器。レバーを握ってから男子より出て行く可能性が高いのだから、大穴を出す下地は整っている。ブンブンと水面を駆け回って、強豪男子を打ち負かせば大会が盛り上がることは間違いなし。賞金の高いG1で結果を出すことは、ベスト12入りへ大きな役割を果たす。近畿が誇る大物たちをバッタバッタとなぎ倒しシーンを楽しみたい。

 ◆地元初G1 燃える中谷朋子
 ~3年ぶり地区選、前回の雪辱誓う~
 3年ぶりの地区選参戦となる。そして地元G1は初舞台。さあ、どんな走りを見せてくれるか。今年のクイーンズクライマックスは平和島。賞金の高いG1で少しでも稼ぎたい。優勝戦1号艇で2回の優勝があるように、平和島は中谷が大得意とする水面なのだ。

 「大好きな平和島で開催されるので楽しみにしているんです。だから何が何でもベスト12入りを目指して走ります」

 3年前の地区選は結果を出せなかった。ただ、最終日には1着をゲットして一矢を報いている。当時より安定感、強さは増した。イン戦の取りこぼしが少なくなったことが、その要因だろう。生命線のターン回りが仕上がって、コースをしっかり主張できれば、きっと好勝負は可能。地元のヴィーナスが大物食い連発で尼崎を熱くする。

 ◆高野哲史(兵庫支部)インタビュー
 ~地元でキレのいいスタートを~
 まずは兵庫支部の次世代を担う高野哲史に今年の抱負をインタビュー。

 [高野]去年は自己最高勝率もマークできたし、いい年だったと思います。
 
 ―優出は11回。

 ペラの形がしっかり定まってきたのが、成績に結びついてきました。前半はエンジンが換わってきてた時だったので、難しいかなと思いながらやっていました。ペラが安定して、気が付いたら勝率が上がっていたという感じがします。7点取れたらG1を走れる回数も増えるので。

 ―最近の地元戦は?

 いいのを引いた記憶がないですね。40%オーバーとかがない。ヤングダービーも勝率は良かったけど大したことないエンジンでした。ペラは藤岡(俊介)さん様々じゃないですかね。出足が仕上がる感じになって成績につながっています。尼でばかりフライングしてるので…。遅れたりとかも多いですね。

 ―記念戦線は?
 今の調整のやり方で通じるんかなという不安はあります。でも兵庫支部を引っ張っていける存在に…。そうですね。そこに入りたいし、目指さなアカンと思っています。地元なので、キレのいいスタートを行きたいです。

 ◆松田祐季(福井支部)
 ~早くも上半期の勝負どころ~
 昨年は飛躍の一年だった。尼崎ヤングダービーでG1初制覇を成し遂げ、住之江グランプリシリーズにも出走した。ヤングダービーの直前に第1子が生まれるなど、公私ともに充実。福井支部は今垣、中島が長らくけん引し続けて、次の世代がなかなか出なかったが、“北陸のジャックナイフ”が満を持してSG戦線へ繰り出す。

 ところが、昨年12月のびわこG2の準優でフライング。ギリギリでクラシックにF休みが掛からなかったのが幸いだが、今回の地区戦のあとにF休みに入り、規定により明けて3カ月間はG1戦を走れない。地区戦からクラシックにかけてが、今年上半期の勝負どころ。実績水面での奮闘に期待したい。

 ◆木下翔太(大阪支部)
 ~「好きな水面」で優出誓った~
 前期にB1から一気にA1級昇格を果たし、今期もA1キープに成功。地元周年のあっ旋も決まっており、記念戦線での走りに期待が高まる。「高いモチベーションを維持できました。エンジンの引きなんかも悪くなかったですね」と好調の要因を分析した。

 年明けの住之江王将戦で優出(4着)の活躍。「出ていましたね。吉川元浩さんが出ていたエンジン。微調整で行けました」と見事にオール大阪のファイナリストに名を連ねた。

 前節の唐津周年でも節間2勝の航跡を残し「水神祭をしてもらいました。今回がG1・3節目なんですけど、ほっとしましたね。今までは“参加している”感じだったけど、1等が取れたのでこれからは“割って入る”レースをしたいです。しっかり予選を突破して、優出を狙いたい」と抱負を口にした。

 「ペラ調整は、自分の形というのは特になくて、前の人ベースで調整しています。今まではやみくもに叩いて失敗したりしていました」と方向性をつかみつつある。尼崎の水面は「乗りやすいイメージ。2Mが乗りにくいとかもないし好きな水面です」と自信をのぞかせた。

 ◆青木玄太(滋賀支部)
 ~視線の先にはビック戦線~
 先月のからつ周年では「23%しかないエンジンだったけど直ってましたね。足合わせから感触が良かったです。ボーダーが低かったのもあるけど準優に乗れました」と機歴をしのぐ動きに仕上げ切った。

 ペラ調整はここ2節、試行錯誤を続けているとのことだ。「蒲郡の記念で出てなかったので、自分の形では対応できないと…。“出る形”を求めています。新しい発見もあるし、からつでもこの形でいいという確信が持てました。ちゃんとペラ調整をやれば、20%台のエンジンでも出せると感じました」

 今年の抱負は「去年は3回しか優勝がなかったので、それ以上の数字を。フライングも2本切ったので、無駄なところが多かった。勝負どころを見極める。レースでも取りこぼしがないように底上げしたい。細かいところを直して、それがSGにもつながると思います」と視界の先にはビッグ戦線が入っている。

 昨年のヤングダービーでは上昇機を引き当て、上位級のパワーを披露。惜しくも準優入りはならなかったが、節間3勝をマーク。「尼崎は好きな水面ですね」。今回も大暴れの予感が漂っている。

 【先行予想】
 ~不動の本命・松井に地元・吉川、魚谷がV戦線の主軸~
 先月のG1センプルカップを制した松井繁が不動の本命となる。尼崎周年4回V、当地の地区戦は2回V、尼崎通算28優出15回Vと圧倒的な実績を残す。今回も2日目DR戦の1号艇で登場。貫禄の速攻でV争いをリードするだろう。

 地元・センプル軍団では吉川元浩、魚谷智之のツートップがV戦線の主軸をになう。周年記念では吉川は準優4着、魚谷はよもやの予選敗退に終わった。ともに尼崎での地区戦Vの実績がある。周年記念で優出【5】着の吉田俊彦に、上位級に仕上げながら準優で転覆に終わった金子龍介らの活躍にも注目したい。

 大阪支部では松井を筆頭に、太田和美、田中信一郎と“最強軍団”のトップ選手がそろい踏み。昨年の住之江グランプリファイナリストの石野貴之は、先月のからつ周年を制したばかり。年明けの周年記念を立て続けに近畿地区の選手が制し、早くも賞金争いをリードしている。

 滋賀支部はダービー王・守田俊介が存在感を示す。周年記念では低調機に苦心した川北浩貴の奮闘にも期待できる。福井支部は今垣光太郎、中島孝平の2強が登場。当地でSG制覇の実績のある石田政吾、ヤングダービー覇者の松田祐季もV争いに食い込んでくる。

 今回の地区選手権は、3月16日から平和島で開催されるSGクラシックの最終キップだ。今回の主力では意外にも太田、吉川らにクラシックの出場権がない。予想のファクターの1つとして組み込みたい。

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