G1地区選手権

【若松G1 九州地区選手権】おかえり西山!G1戦線でうっぷん晴らす

[ 2018年2月14日 05:30 ]

A1復帰を果たし、G1戦線に戻ってきた西山貴浩
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 熱いレースで寒さを吹き飛ばせ!!G1「第64回九州地区選手権」は15日に開幕する。今年はボートレース若松でナイター開催だ。福岡・長崎・佐賀の3支部から西山貴浩、下條雄太郎、古賀繁輝の3選手をピックアップ。

◎福岡・西山貴浩

 お帰り!出走回数不足によってA2に降格していた西山貴浩があっさりとA1に復帰。G1戦線に戻ってきた。「楽しみで仕方がないんですよ。特に若松では負けたくないし、これまでのうっぷんを晴らします」と堂々の反攻宣言だ。

 この並々ならぬ意気込みの裏には、エンジン出しの自信がある。「電気のタイプが替わった現在のエンジンは調整がうまく行くんですよ。(2連対率)35%以上なら出足が強力になる」と一般戦ながら近況も同様に仕上がっており、しっかりとした確証もあるのだ。

 昨年末、自宅でテレビ観戦していたオートレースの祭典・スーパースター王座で大親友・荒尾聡のVに触発された。「いつも一緒に酒を飲んでいる人が大勢のファンから『荒尾コール』が聞こえた時は感動して涙が出てきましたよ」と自分のことのように喜ぶと同時に、「あんなポンコツでもやれるんだと、背中を押された気がした」(コラコラ失礼だぞ!)。

 同世代が記念Vを挙げる中、いまだタイトルとは無縁で「欲しい。獲らないといけない。年齢的にもそろそろ…」。単純に歴史に名を刻むだけじゃなく、G1VによるSG戦線定着へのリミットも近づいている。程良い焦り。それが逆に良好な精神状態を呼んでいるかもしれない。

 今年は若松でオーシャンカップも控え「今回もですけど、出場する記念は全て優出するつもり」。しばらくは開会式だけじゃなく、水面でも大暴れする構え。ブルゾンちえみのセリフじゃないが、キーワードは35%だ。まずはエンジン抽選に注目だ!

◎長崎・下條雄太郎

 昨年愛知支部から移籍した原田幸哉がF休みで不在。現在、長崎支部で原田と2強体制を築いているのが下條だ。昨年は自己最多の年間SG5回出場でファンにもお馴染みの顔になった。その中で優出したグランドチャンピオンの準優3周2M、セーフティーリードで2番手だった茅原悠紀を抜き去った超絶ターンは、近未来のSGウイナーを感じさせた。

 そんなスター予備軍だがG1タイトルとは縁がない。「もちろんG1は獲りたいですよ。ただ、こればかりは巡り合わせですからね」と願望の中にも冷静さを装わせるが、チャンスはあった。

 2016年多摩川61周年以来、2回目の得点率トップ通過で準優を迎えた昨年の九州地区選。一人の選手の早すぎる飛び出しに捲られて敗退した。「悔しかった。それほど(得点トップを)気にしていなくて、リラックスしていたつもりだけど、(Vを)考えていたところがあったのかも」。スリットで極端に後手を踏んだわけではないが、エンジン的にも決定的なV機だっただけに、絶望感は計り知れる。

 「それ(地区選)以外にもリラックスしていれば優出できたことは何度かあったので、次にチャンスがあれば余裕を持って行くようにします」。過去の失敗を糧に意識改革も怠っていない。昨年のメモリアルで準優入りしており、メンバー中でも近況の当地実績では負けていない。「リベンジです」。地区選の借りは地区選で。選手生活最大の悔しさを晴らして、一年越しの夢を叶える!

◎佐賀・古賀繁輝

 峰竜太と深川真二のSG初Vをはじめ、山田康二、三井所尊春が記念初Vと、2017年は佐賀支部が歴史的大ブレイク。そんな華やかな輪の中に入れなかった古賀が燃えている。

 深川が制したダービーは自宅でテレビ観戦。ゴール後に深川が、ピットで出迎えた上滝和則選手会長、同じレースで対戦した峰らと抱き合って喜ぶ映像が目に入ってきた。「自分も現場でこの雰囲気を味わいたかった」。先輩のVをうれしく思う反面、SGに出られなかった悔しさもこみ上げてきた。

 「もう一度大舞台に戻らないといけない」。昨年の下関周年優出(4着)した。記念戦の優出ポイントが選考条件のオーシャンカップが現在では最も出場可能性が高いSG。「今節は優出がノルマ。これまでは少し足りなくて出場できなかったから、しっかり頑張らないと。それに、30歳を超えて、下の世代も出てきたし、結果にもこだわりたい」。優出のポイント稼ぎだけじゃなく、念願のG1タイトル奪取で、SGクラシック出場も狙っている。

 佐賀勢はごくわずかで様々な面で苦労することが多いが、今節は深川、峰の2強を筆頭に、サポートメンバーが充実。「メンタルは真二さん、ペラに関しては竜ちゃんがいるから心強いです」。レースに集中できる環境は整っている。アッと驚く激走もあり。「殻を破って、2018年を分岐点にします」。佐賀にまたニュースターが誕生するかもしれない。

◎総展望

 福岡支部は瓜生正義が不在だが、選手層の厚さは健在だ。何を置いても篠崎元志、仁志の最強兄弟レーサーの名が挙がる。特に篠崎元は15年の当地周年覇者。若松実績も十分なこの男こそ福岡支部の核である。前年覇者の田頭、昨年の江戸川ダイヤモンドカップで初G1Vの岡崎がいる。さらには昨年のメモリアルで地元唯一の優出を果たした前田、昨年のレディースチャンピオンを制した小野。昨年の大村周年でG1初V以降は飛ぶ鳥を落とす勢いの羽野、直前の徳山周年優出で当地7月オーシャンカップ出場に当確ランプを灯した仲谷らドリームに出場する若手も頼もしい。5年前の当地前回覇者の今井、一般戦ながら当地ドル箱の中辻、1月の当地前回Vの池永…と有力選手を挙げれば、続々と口を突く。まだまだ推奨したい選手が多く、このスペースでは足りない。福岡支部の地区選7連覇なるか。

 佐賀支部の総大将・深川は直前のからつ周年でF2ながら優出の活躍。昨年はダービーV。日本一の次は、九州チャンプの称号を頂くか。とはいえ、Vにもっとも近いのは、昨年の賞金レースを引っ張った峰だろう。近況も絶好調だ。現在使用中のエンジンでV歴ある宮地、昨年記念VとSG優出を果たした山田も一発を秘める。

 長崎支部は下條、中村がけん引する。昨年Vラッシュで、この後クラシックを控える中村は、前年優出の実績。8年前の56回大会を制した赤坂は近況は復調ムード。優出した10年前の54回大会で好走を見せた樋口、時折、記念で激走ある山口にも注目したい。

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