G1地区選手権

【児島G1 中国地区選手権】児島のエース茅原 高速ターンで地区選連覇へ

[ 2018年2月15日 05:30 ]

児島のエース茅原悠紀
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 地区選たけなわの中、最後に開幕するのがG1「第61回中国地区選手権」だ。ボートレース児島で16日に初日を迎える。出場選手の中から、各地区の昨年のグランプリ戦士である、岡山の茅原悠紀、山口の寺田祥と白井英治、広島の前本泰和をピックアップする。

◎岡山・茅原悠紀

 東が桐生なら、西は茅原か。今のボートレース、最強のターンをする選手は誰かと聞かれれば、この両者の名前が真っ先に挙がる。でも、児島で育った者としては、デビューしてからグランプリを勝つまでの過程をすべて見てきた親心もあって、茅原がNO.1だと信じて疑わない。地元でオススメの選手はもちろんその茅原だ。異次元の高速ターンは児島水面ならなお威力を発揮。圧倒的なパフォーマンスでシリーズを引っ張って行きそうだ。

 昨年のグランプリは正味のパワーでトップグループと差があり、茅原のコーナースピードを持ってしてもファイナルに進むことはかなわなかった。「グランプリは選手を目指すきっかけになったレース。選手でいる限りはずっとこのレースで優勝することが目標です」と言う茅原は気持ちを新たにして2018年を突き進む。児島の正月シリーズは初日ドリーム快勝から最後は優勝で締めくくった。昨年を思い出せば、児島正月戦Vから徳山地区選Vへとつなげている。今年も同じパターン?いい流れで地区選連覇に挑む。

 今回の地区選は3月に浜名湖で開催されるSGクラシックの出場権がかかる最終シリーズでもある。権利のない選手の気合乗りは5割増しぐらいと考えていい。茅原はその該当者でもある。ラストチャンスの舞台が地元児島というのは天の配剤か。児島での強さをあらためておさらいしておこう。別表の過去5節は当然のごとく全部優出しているが、実は15年以降、16節走ってSG、G1を含む15節で優出(7V)という素晴らしい実績を残している。ただ意外なことに児島でのG1Vはまだ…。いろんな意味でこのシリーズは勝負がかかる。「ボート界最強」を目指す児島のエースの走りに注目だ。

◎山口・寺田祥

 昨年11月の児島周年では強い“テラショー”の姿を存分に見せつけた。賞金ランク5位で挑んだシリーズ、グランプリの「トライアル2nd」スタートがかかっていた状況で見事に予選トップ通過を決め、準優も優勝戦も豪快に逃げ切った。「ホッとしています。優勝戦の1マークのターン自体はいいことなかったけど(オレンジプレートの)エンジンに助けられました」とレース後に話してくれたが、寺田の勝負強さを見せつけたレースでもあった。

 2ndからの出場を決めた“本番”では惜しくも次点に泣き、ファイナルには届かなかった。開会式で「真剣にグランプリを獲りにきました」と宣言していただけに納得できるものではなかったが、最後は順位決定戦1着で締めた。気持ちを新たにした今年は地元の徳山新春シリーズ優勝からスタート。そして直前の徳山周年でも優勝戦?着と最低限の結果は残した。児島G1連続Vへ流れは良さそうだ。

◎山口・白井英治

 今節のメンバーに御大・今村豊の名前がないのは寂しい限りだが、「(白井)英治に任せとけば間違いない」と言う声が聞こえてきそうだ。近年の中国地区選手権では白井の強さがひときわ光る。この10年間で第57回、58回連覇を含む3Vの実績。その中には15年の児島大会も含まれている。

 昨年のグランプリは意中のエンジンを引きながら不完全燃焼に終わった。その悔しさは忘れることがないだろう。ただすでに気持ちは切り替わっている。今年は下関新春シリーズ↓からつと連続Vでスタートダッシュに成功。続く平和島周年でも優勝戦3着、前節の徳山周年では準優突風にあおられる不運に泣いたが、予選はトップ通過を決めていた。言えることは、今年は4節とも素晴らしい仕上がりだったということだ。

 昨年11月の児島周年でも優勝戦?着の実績。大会相性だけでなく水面相性も抜群、もちろん今回もV戦線を引っ張って行く。

◎広島・前本泰和

 選手生活25年目で初めてグランプリの舞台にたどりついた。昨年はトータルすれば充実した1年間だったか。しかし、最後の最後は悔しさだけが残った。1stステージ、2走続けて6枠では力を発揮することはできないまま。「気持ちを切り替えるのが難しかった」と複雑な思いで走ったGPシリーズでは優勝戦3着と何とか格好はつけたが、モヤモヤした思いが残ったのは事実だった。「雰囲気から違ってた。またグランプリに行きたい気持ちは強いですね」。18年の目標は明確だ。いい時もあれば悪い時もあるのが勝負の世界。前本は今年、最高のスタートを切った。

 1月末のからつ64周年記念。首尾よく優出した前本は4コースから“ごっつぁん差し”で新年早々G1Vを飾った。インの新田雄史と3コースから攻めた武富智亮が1Mで大競りするという絶好の展開を突き抜けた。「まさかこんな展開になるとは思わなかった。何が起こるかわかりませんね」と自分でも信じられないという表情だったが、これ以上ない滑り出し。流れは間違いなくいい。

 児島は07年11月に初めてG1を制した思い出の水面でもある。相性は抜群だ。さらに言えば今回の地区選は新エンジン、新プロペラになって4節目のシリーズ。ほとんどの選手が未経験のなか、前本は新エンジンとなった1節目を走った強みがある。「最初はたいしたことなかったけど普通にはなったかな。最後は行き足だけは良くなってた」と素性の悪かったエンジンを自慢の調整力で見事に仕上げ、優勝戦?着でシリーズを終えた。もちろんその節では、1カ月後の地区選を意識した調整だったことは言うまでもない。初日は瀬戸内ドリーム2枠からの出場。新エンジンを経験したアドバンテージを生かして、イン茅原を2コースから突き刺すか。

◎総展望

 初日12Rに「瀬戸内ドリーム」、2日目12Rには「山陽ドリーム」と今節はWドリームが組まれている。もちろん、各地区のV候補がそろっており、熱いレースに期待したい。さらに中国地区は女子選手の層が厚いということで、初日11Rには「藤花選抜」という番組も。出場メンバーは、寺田千恵、堀之内紀代子、佐々木裕美、守屋美穂、金田幸子、樋口由加里の6人だ。

 昨年のグランプリに出場した茅原、前本、白井、寺田祥の各地区“イチ推し”選手が当然シリーズの主役を担う。とはいえ、実力者がわんさかといる中国地区、他にもV候補がズラリ。まずは昨年惜しくも“19位”で涙をのんだ辻がスタートダッシュをかけてくる。安定感という点ではピカイチ。意外に感じるがまだ地区選Vがないだけに、そろそろという思いもあるはずだ。

 広島勢では地区選男の市川にも注目。児島の新エンジンは1月の初おろしシリーズで経験済み。調整のノウハウはつかんでいる。クラシック出場権のない山口剛が勝負をかけてくるか。ベテラン西島は児島でSGVの実績を残す。ドリームから登場する海野も侮れない存在。若手では売り出し中の村松を推したい。

 山口勢では地区選Vの経験者である谷村、大峯がひと仕事やってくれそう。直前の徳山64周年で優勝戦2着とした原田の勢いも無視できない。

 地元陣営からはドリームシードの平尾、吉田、山本寛、寺田千らが迎え撃つ。川崎も3度目の地区選制覇を狙っているか。昨年末の鳴門周年で優出した山口達も復調著しい。

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