G1地区選手権

【G1関東地区選】斉藤、毒島の2人に注目!

[ 2014年2月7日 05:30 ]

一流選手の風格漂う毒島
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 G1「第59回関東地区選手権」はあす8日、東京のボートレース平和島で開幕する。昨年の活躍から注目を集めるのは、賞金王決定戦に出場した斉藤仁(36=福岡)と毒島誠(30=群馬)の2人だろう。共に地元の正月開催を優勝と、最高のスタートを切っている。今回は例年以上の活躍の期待が掛かる。他にも浜野谷憲吾(40=東京)、山崎智也(39=群馬)、桐生順平(27=埼玉)、平石和男(47=埼玉)ら実力者がズラリ。熱戦が繰り広げられることは間違いない。

◇今年はこれ1本「賞金6位以内」

 昨年の飛躍と、その後の充実ぶり。今の毒島なら関東No・1と呼んでも過言ではないはずだ。7月のオーシャンCでSG初優出を果たすと、翌月のMB記念でSG初V。賞金王決定戦にも出場し、ファイナリスト6人に残った。昨年の年間獲得賞金も自身初の1億円超え。一線級と呼ぶにふさわしい活躍を見せた。

 「結果が出て良かった。30代に向けての良い足掛かりになったと思う。エンジン出し、気持ちの持ち方、レースの走る位置など今後の課題も見つかった」。

 昨年を振り返る表情からは、どこか一流選手の自信や風格も漂う。今年の目標を「賞金ランキング6位以内。これ1本」と言い切れのも、その表れだろう。

 さらなる高みを目指す毒島だからこそ、その勢いは年が替わっても衰え知らずだ。桐生の正月開催を9戦オール連対で優勝すると、続く三国一般戦は11戦オール連対で準V。毒島にとって、今年のG1初戦となった浜名湖周年でも、優勝はできなかったが予選1位から優勝戦1号艇を手に入れた。今年、出走した28レースで4着以下は一度もなし。その進化が止まる気配は全く感じられない。

 名実共に関東No・1となるために必要な物は、あとは地区選Vの実績のみ。舞台となる平和島には「嫌いな水面ではないがエンジンを出せない」と語る。しかし、成長著しい今の毒島なら克服は可能だろう。「年末を走るつもりで臨む」。今年の賞金王決定戦が行われる平和島で、毒島が関東の新エースを襲名する。

◇昨年SG2優出、結果に出せた年

 ここ数年で急激に実力をつけてきた斉藤仁。福岡在住でありながら東京支部を貫き関東のエース格を担うほどの成長を遂げた。「テクニックとかではなく精神的なものが大きい。常に前を向き、落ち着いて取り組めるようになった」と、本人も成長を自覚している。

 「充実感は一昨年が一番感じられた」と、12年5月の桐生周年でG1初制覇。これを機に勢いを増し「昨年は結果に出せた年」と、言うように13年3月の平和島総理杯、11月の津チャレンジCで2度のSG優出。賞金王戦士に名を刻んだ。

 賞金王の舞台で斉藤は実力を出し切れず(6)(4)(4)(5)に終わったが「漠然としていた賞金王決定戦に実際行ってみて、もう一度行きたいという気持ちが湧いてきた」と、欲を見せる。何故ならば「平常心で走ったつもりだが、思い起こせば浮き足だっていたのかも。いつも通りに走れていたらどんな結果が出ていたのだろう」と、振り返る。このモヤモヤを吹き飛ばすためにも再度あの舞台に立つと決めた斉藤。関東地区の頂点に立つことをスタートラインとし、勢いをつけて14年の賞金レースに臨みたい。

 「結果は多摩川の方が出せているが、平和島も好きですよ。イメージは悪くない」。今大会の前哨戦とも言える当地の正月レース「第43回東京ダービー」を制し、14年の平和島優勝一番乗りを決めた。

 「とにかく優勝の2文字にこだわりたい」。結果に出すことを意識し始めた斉藤が、関東地区戦V候補に名乗りを上げた。

◇【浜野谷】地元戦に気合

 年末年始がF休みだった浜野谷にとって、関東地区選が今年の地元初戦となる。昨年、平和島で行われた2回のSGは共に不参加。「それには思うところがある」と、地元戦には例年以上に気合が入っている様子だ。そして何より、今年は賞金王決定戦が14年ぶりに平和島で開催される。もちろん目指すは「決定戦出場」。その為には貪欲に賞金加算を狙わなくてはならない。1号艇で登場する初日ドリーム戦から、エンジン全開で飛ばす。

◇【山崎】連覇へ最高のリズム

 昨年の覇者が最高のリズムで乗り込んでくる。山崎智は戸田一般戦、G1浜名湖周年と現在2連続V中。「今年は気合を入れ直す」の言葉通り、年明けから結果を出した。一昨年は賞金王に輝いたが、昨年は賞金ランク12位から漏れて決定戦不参加。それだけに「今年の目標は賞金6位以内」と闘志を燃やす。目標達成にはSGで結果を出すのが必須で、そのためにも地区選連覇で総理大臣杯(3月18~23日、尼崎)の出場権を獲りに来るはずだ。

◇【熊谷】ペラ形変え好調

 名人戦の世代になってもパンチの利いたレース内容は不動。そんな熊谷は「F休み明けからペラの形を変え乗り心地がくるようになった」と、昨年11月から6連続優出。「今のペラ制度になって最近にないくらい点数がとれている」と、今期現況8点近い数字を保持。好リズムで参戦するが「最後に結果を出せていないのが不満」と言うように昨年2月以来、優勝から遠ざかっており、狙うのは“優勝”の2文字のみ。

◇【三角】ダービー見据え

 多摩川のイメージが強い三角だが、当地優勝回数15回は出場メンバー中、トップ。平和島は相性のいい水面になる。そんな三角のポリシーは「常にダービーに出ることだけを考えて走っている」だ。「今節はもういいやとか、あの時こうしていれば何てことがなくなるから」と、言うようにダービーを原動力に戦う三角に妥協は許されない。衰え知らずの攻撃力で56回大会以来となる2度目の地区選Vへ名乗りを上げる。

◇【山田竜】連敗脱出へ

 「毎回違うエンジンから自分の思う仕上がりができている」と、昨年16回、今年早くも2回の優出を決めているのが山田竜。絶好調と思いきや「最後の最後で行き切れていない。早く優勝してホッとしたい」と、12年2月の多摩川一般戦を最後に優勝戦21連敗。手放しで喜べない状態が続く。「理想は地元で優勝すること」。それが記念レースとなれば喜びは倍増。初のG1Vへ機は熟した。

◇【江口】1着増やす

 2日目ドリーム戦に2号艇で臨む江口晃生(48=東京)は、昨年のG1名人戦ウイナー。もはや大ベテランの域に達しているが、昨年末のSG賞金王シリーズで優出するなど衰えは感じさせない。それだけに目標もしっかり定まっているが、内容は他の選手とは少々異なる。「今年は2着選手のイメージを変えたい。1着を増やしたい」と目を輝かせた。勝利にこだわる第14代名人の走りから目が離せない。

◇【野沢】実績不気味

 02年3月に当地SG総理杯Vの実績がある野沢が不気味な存在。昨年は一般戦6Vで、03年12月賞金王S(住之江)以来のG出場となる今年3月尼崎ボートレースクラシック(総理杯)へのエントリーを決めた。「今期の勝率がA1級ギリギリ(6・32)だったことからも分かるように、いい状態と悪い状態の差が大きかった」と控えめだが、勢いに乗れば一気に頂点をつかむ可能性も十分。

◇【村田】ペラ手応え

 全国でも屈指の卓越したペラ調整手腕を誇る村田は「ようやくペラ調整の手応えがつかめてきた」とニヤリ。「出足は仕上げられるが、これを落とさずに伸びをつけることが課題だった」と粘り強く取り組んだ成果が出た様子。もちろん、記念での実績は申し分ない。「エンジンを仕上げてレースするタイプだし、記念で勝負して勝率を稼げるようにしたい」と快速ぶりが見られるか注目だ。

◇【鉄兵】SG権利を

 初日ドリーム戦6号艇の石渡鉄兵(39=千葉)は昨年、総理大臣杯からMB記念まで5連続でSGに出場した。しかし、全日本選手権以降の3大会は不出場。「昨年は優勝やG1優出も前半ばかりだったし尻すぼみだった」と振り返った。ただ、賞金王決定戦を目標にする今年を同じ結果で終わらせる訳にはいかない。「まずはSGの権利を獲らないとね」。地区選Vで総理大臣杯の出場権を手に入れる構えだ。

◇【桑島】穴出したい

 今期でデビュー初のA1級昇格を決めた桑島は、今シリーズがG1初出走。それでも「新鋭王座にも出られなかったから楽しみ」と頼もしい。「新ペラ制度になって成績が上がった。現場型だと思う」と好調の要因を自己分析。さらに「記念の人たちのいい部分を吸収して成長できるようにしたい。人気のないところで穴を出したい」と気合十分だ。まずはG1初勝利での水神祭を目指したい。

◇【中田】覚醒の予感

 彩の国の若きドラゴンが覚醒しようとしている。中田竜太だ。昨年はうれしい初優勝(9月、戸田)に加え、新鋭リーグ(G3)優勝も記録。そして何より同期でひと足先に注目を集め始めていた浜田亜理沙と結婚という大きな転機となった1年だった。埼玉は若手有望株の宝庫、妻とも切磋琢磨の毎日、抜群の環境をバックに、今年はこの地区選手権、そして地元の戸田周年とG1へのチャレンジが続く。いよいよ真価が問われる年へ向けて「強い人を相手にして自分の足りないところを探したい」と闘志を燃やす中田、大ブレイクの予感が満ちあふれている。

◇【黒井】“自然体で”

 2度目の関東地区選手権へ向けて黒井達矢は「昨年(江戸川)は特殊な水面でしたからね」と静かに闘志をかき立てている。その昨年は新鋭王座以外のG1へ初挑戦ということで気負っての参戦だったが、いきなり失格を喫し、歯を食いしばっての戦いが続いたものの中間着を並べるだけで終わった。不完全燃焼だった、という悔しさが「特殊な水面」という表現に表れているのか。今年は平和島が舞台。「水面相性ですか?あまり走ったことがないのでかえって気にしないでまっさらな気持ちで臨めます」自然体で攻める黒井に新たなパワーが加わるかもしれない。

◇平和島のエンジン

 現行エンジンは昨年6月から導入。現在は23号と64号が2強を形成している。23号は温水パイプ装着から上昇し、今や2連対率トップ。特に行き足や伸びが力強い。64号は2連対率こそ17位タイと目立たないが、4節連続優出中と絶好調。乗り手に関係なく、伸び中心に強力な舟足を見せている。58号と73号も最近の気配は良好だ。直前のシリーズでトップ級の動きを披露した53号と22号も見逃せない。対照的に、12号や56号は2連対率こそ高いが近況は平凡。昨年の全日本選手権V機として56号を覚えている人もいるかもしれないが、過度の期待は禁物だ。

◇平和島の水面

 平和島の水質は海水で潮の干満の影響を少なからず受ける。昨年の1コースの1着率は40・6%と全国的に見てもインが弱い水面。センターからの「まくり」や2M逆転の「抜き」が目立ち、6コースの連対率12・5%は屈指の高さだ。G1以上のレースでは1号艇が幅を効かせる傾向が顕著だが、2月の平和島は冷たい北風(ホーム向かい風)の季節。行き足が鈍るスロー艇の仕掛けが遅れ、インの1着率は追い風の夏場よりも10%以上低下する。ダッシュ勢の連動が成立し、高配当を狙うにはうってつけの水面に変ぼうする。

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