365日 あの頃ヒット曲ランキング 9月

【1986年9月】CHA―CHA―CHA/“宣伝効果”抜群 石井明美 知らないうちに…

[ 2011年9月27日 06:00 ]

石井明美のデビュー曲「CHA―CHA―CHA」
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 ★86年9月ランキング★
1 CHA―CHA―CHA/石井明美
2 Say Yes!/菊池桃子
3 渚の『…』/うしろゆびさされ組
4 鏡の中の私/吉沢秋絵
5 ツイてるねノッてるね/中山美穂
6 青空のかけら/斉藤由貴
7 不自然な君が好き/C―C―B
8 ビー・バップ・パラダイス/ビー・バップ少年少女合唱団
9 the Cross/本田美奈子
10 Auroraの少女/芳本美代子
注目メロディー/高井麻巳子
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【CHA―CHA―CHA/石井明美】

 てっきり美容師になると思っていたのに、気がつけば歌手になり、デビュー曲からいきなりレコード売り上げなどあらゆるチャートで1位になっていた。

 クラブでカラオケに合わせて歌っていた21歳の石井明美のデビュー曲「CHA―CHA―CHA」は、平均視聴率30%超を記録したTBSドラマ「男女7人夏物語」の主題歌に選ばれたことで大ヒット。いわゆるトレンディードラマのはしりといわれる作品のオープニングとエンディングで必ず流れ、“宣伝効果”は抜群。「完全にドラマの力。私が良かったからじゃない」と石井が言うように、大々的なプロモーションもせずに、無名の新人歌手のレコードは60万枚も売れる大ヒットとなった。

 「CHA―CHA―CHA」という40代前後の世代には懐かしいリズムが、当時の音楽シーンでは皆無だったことも逆に新鮮だった。もともとその1年前に、イタリアのフンツィ・コンティーニとフランスのキー・ラーゴが競作で歌い、ヨーロッパで大ヒット。それが日本にも「ユーロビート」として入り、ディスコで流れるようになった。これを日本語訳したものを石井が歌った。人気ドラマに流行の洋楽という“追い風”もブレークの要因だった。

 スカウトされてから1年迷った。「歌手になりたかったわけじゃないし、クラブで歌っていたのは単純にお金を稼ぐため。1曲レコードを出して、売れなかったらすぐ辞めるという条件で歌った。失敗しても若いうちだからと、いう気持ちだった」と石井。8月デビューという、歌謡界では半端な時期のシングル発売は、もちろんドラマのスタートが夏というのもあったが、それほど期待されていたわけではないことを暗に意味している。それでも賞レースでは軒並み新人賞を受賞。年末は各テレビ番組に引っ張りだこだった。

 「2曲目以降が勝負」と位置付けていた石井。「CHA―CHA―CHA」を上回るようなヒットは出なかったが「ランバダ」などがススマッシュヒット。近年は「男女7人秋物語」の主題歌「SHOW ME」を歌った森川由加里、ドラマ「スクール・ウォーズ」の主題歌「ヒーロー」の麻倉未稀のユニットで活動している。
 

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