365日 あの頃ヒット曲ランキング 9月

【2000年9月】サウダージ/挑戦したポルノグラフィティ 新境地で見事1位獲得

[ 2011年9月29日 06:00 ]

 ★00年9月ランキング★
1 らいおんハート/SMAP
2 慎吾ママのおはロック/慎吾ママ
3 夏祭り/Whiteberry
4 サウダージ/ポルノグラフィティ
5 とまどい/GLAY
6 ZOO/ECHOES
7 I WISH/モーニング娘。
8 ZOO~愛をください~/蓮井朱夏
9 あ~よかった/花*花
10 How You Like Me Now?/m―flo
注目tears/Fayray
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【サウダージ/ポルノグラフィティ】

 夏の匂いがした、3枚目のシングル「ミュージック・アワー」から、今度は秋に合わせて9月13日に「サウダージ」を発売したポルノグラフィティ。「秋に聴きたいと思ってくれるようなものにした。タイトルに残暑っぽさが残る言葉を選んだ」という“戦略”に基づいてのものだった。

 サウダージとはポルトガル語で「哀愁感漂う」「やるせない思い出」といった意味。語源をはっきりとは知らず、ボサノバ系の歌詞によく使われている言葉ということから推察して明るい意味ではないという認識だけで、タイトルを付けたという。メランコリックな感じの曲に、コンガやテインバレスなどラテン系の音楽で使われる打楽器を使って、過去3曲のヒットシングルとは違うテイストに挑戦した。

 歌詞にしても挑戦していてる。「女性の言葉で歌詞は進んでいくけれど、本当は男にもある恋愛に対するめめしい部分を表現したかった。男を主語にして書くと、ちょっと情けなくなってしまうので。女性の言葉で詞にした」とは作詞のハルイチ(現、新藤晴一)。男女とも共感する部分は多く、やや実験的ではあった曲だが、売り上げは急上昇。オリコンチャートでも10月2日付で初の1位を獲得し、売り上げも71万枚を記録。出荷ベースでは100万枚を超える快挙となった。

 現在は新藤と岡野昭仁の2人だが、「サウダージ」をリリースした頃はまだ3人編成だった。広島・因島出身の高校の同級生が、大阪で再会し、バンド活動をスタートしたのが94年。「ポルノグラフィティ」というインパクトのあるバンド名は、アメリカのロックバンド「エクストリーム」のアルバムタイトルから付けたものだった。

 メジャーデビューまで5年。デビュー曲の「アポロ」が大ヒットし、一時は“一発屋”で終わるのではとの懸念もあったが、この「サウダージ」で2000年の紅白歌合戦に出場。バンド名からお堅いNHKがどう判断するか注目されたが、以後2010年まで9回出場。すっかり常連となった。

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