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【1988年9月】DAYBREAK/突然の呼び出し 男闘呼組 あの人の辞退で紅白出場

[ 2011年9月25日 06:00 ]

 ★88年9月ランキング★
1 DAYBREAK/男闘呼組
2 旅たちはフリージア/松田聖子
3 MUGO・ん…色っぽい/工藤静香
4 セシル/浅香唯
5 KOME KOME WAR/米米CLUB
6 人魚姫/中山美穂
7 ANGEL/氷室京介
8 彼女とTIP ON DUO/今井美樹
9 Beginning/CHA―CHA
10 レースのカーディガン/坂上香織
注目Biueberry Jam/西村知美
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【DAYBREAK/男闘呼組】

 その日は突然やって来た。88年12月13日、この日オフでそれぞれの過ごし方をしていた「男闘呼組」の4人のメンバーは、午後1時までに東京・麻布のジャニーズ事務所の合宿所に集まるように連絡を受けた。

 緊急招集の内容は明かされず、4人揃ったところで伝えられたのが「紅白歌合戦出場」だった。すでに11月に紅白の出場歌手は発表されていたが、同じ事務所の田原俊彦が出場を辞退。「出場候補の次点だった」(NHK)ことで、事務所に関係なく、8月に発売したデビュー曲「DAYBREAK」がレコード売り上げ40万枚のヒットとなった「男闘呼組」が繰り上げ当選となったという経緯が説明された。

 田原は前年連続出場の記録が7年途切れ落選。「抱きしめてTonight」のヒットなどで“復活”したトシちゃんの紅白カムバックは、番組の目玉の一つだったが、田原は「紅白は卒業した」と、頑なに出演を拒み、レコード会社から正式に出演辞退が伝えられ、急きょ「男闘呼組」の出場が決まった。

 初出場の4人は「夢を見ているみたい。毎年、テレビで見ていた憧れの番組に出られるなんて」と緊急会見でも夢心地だったが、昭和最後となった紅白に同じく初出場の光GENJI、先輩の少年隊に続いて3番手で登場。ジャニーズとしては当時異色の本格的ロックバンドスタイルは、強いインパクトを与えた。

 「DAYBREAK」の発売は満を持したものだった。岡本健一、高橋一也、成田昭次の3人は85年のスタート時からのメンバーだが、そこへ新顔が入っては抜けるという状態を繰り返し、最終的に補佐メンバーだった前田耕陽が定着。ドラマ、バラエティ、CM、ライブ活動を十二分にこなし、88年2月に公開された映画「ロックよ静かに流れよ」が好評だったことで、レコード発売のゴーサインが出た。

 アイドルらしからぬ、ややニヒルなにおいを感じさせた4人。ジャニーズという看板抜きで、勝負させたらどうなったのか。想像の域を出ないが、日本のロックシーンに残るバンドになった可能性は十分ある。
 

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