【名人戦・第4局1日目】藤井名人 横歩取りらしい大駒乱舞 4年足らずでタイトル戦24都道府県目

[ 2024年5月18日 20:31 ]

藤井聡太名人(中)が見守る中、立会人の深浦康市九段(左)に名人戦第4局の封じ手を渡す豊島将之九段(日本将棋連盟提供)
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 将棋の藤井聡太名人(21)=王将を含む8冠=に豊島将之九段(34)が挑む第82期名人戦7番勝負(毎日新聞社、朝日新聞社主催)は18日、大分県別府市「割烹旅館もみや」で第4局1日目が始まり、戦型は先手豊島の横歩取りになった。午後6時半の封じ手までに38手進み、持ち時間9時間から豊島は4時間8分、藤井は3時間55分消費した。19日午前9時、同所で2日目が指し継がれる。

 豊島が3手目で1筋の端歩を突いた。秘策の存在を匂わすスタートで、昨年10月の王将リーグ、永瀬拓矢九段戦で採用して以来。振り飛車の可能性もあったが、5手目で2筋の飛先を突いて居飛車を明示した。お互いに飛先を伸ばし合って、先に歩を交換した藤井が16手目、7筋の横歩を飛車で取って横歩取りが確定した。両者の対局では今期第1局以来。豊島が、藤井を横歩取りへ誘導したとも受け取れる午前中となった。

 午後は豊島が敵陣へ放った角で、藤井の右金を取って斬り込んだ。その金で藤井飛車を捕獲すると、藤井もその飛車を斬ってさらに角を成り込んだ。横歩取りらしい大駒がお互いの駒台を行き来する華々しい1日目になった。駒の損得はないが、豊島が飛車と駒台に飛車、藤井は馬と駒台に角、銀を置いている。

 「別府での名人戦は71年ぶりということで、多くの方に楽しんでもらえると思う」

 約300人のファンが集まった17日の前夜祭。藤井が笑顔で語った。別府市での名人戦は1953年の第12期第3局以来2度目。当時の大山康晴名人に升田幸三八段が挑み、升田が勝利した。

 今回は藤井の3勝0敗で迎え、初防衛に王手。同時に、20年6月のタイトル戦初出場以来、敗退なしでの22期連続獲得がかかる。そして大分県ではタイトル戦初対局、通算24都道府県目となり、全国47都道府県の過半数に4年足らずで達した。

 全冠独占するからこそ、ハイペースで駆け巡った証と言える。ちなみに歴代最多99期の羽生善治九段(53)は47都道府県を踏破済み。89年10月の竜王戦第1局神奈川県対局から94年1月の棋聖戦第4局愛知県対局で24都道府県目。4年3カ月かかったため、今回藤井は「羽生超え」を果たした。しんがりは11年5月の名人戦第3局宮崎県対局だった。

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