「舞いあがれ!」舞の活躍 NHK制作統括「パイロットと経営者は近い部分がある」

[ 2023年1月24日 08:30 ]

連続テレビ小説「舞いあがれ!」で、舞(福原遥)がセミナーで発言する場面(C)NHK
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 【牧 元一の孤人焦点】NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」で、ヒロインの舞(福原遥)が、母・めぐみ(永作博美)が社長を務める会社で、営業の中核として活躍する姿が描かれている。

 舞は努力を重ねてつかんだ航空会社の内定を、父・浩太(高橋克典)の急死による会社の危機を乗り越えるために辞退。正社員として働き始めてから4年の歳月が流れ、航空機の部品を作るという父の夢を実現させることが、自身の新たな夢となった。

 今週の放送では舞や幼なじみの貴司(赤楚衛二)の人間的な成長がうかがえる。大学の人力飛行機サークルで空を目指していた頃の舞、社会に適合できなくて失跡していた頃の貴司とは隔世の感がある。演じる福原、赤楚は、4年という時間の重みを、無理なく自然に表現しているように見える。

 制作統括の熊野律時チーフプロデューサーは「元々、実力のあるお二人。お芝居が素直で、自然に相手のお芝居を受け止め、そこから展開していくお芝居を最初の撮影の頃から感じている。それぞれが長い時間、舞として、貴司として時間を積み重ねた中で、キャラクターがどんどん深まっていると感じる。福原さんには、舞のステップアップや周りとの関係性の変化を自然な形で表現していただいているし、赤楚さんには、貴司がやりたいことを着実に積み重ねて来て得られた落ち着き、おだやかさを丁寧に表現していただいている」と話す。

 24日放送の第78回で、舞は貴司が店主を務める古書店の居間で、貴司と向き合う形で、航空機産業に参入するための勉強をしていた。その姿を見た女児が「2人は付き合ってんの?」と尋ねると、2人は笑い、舞が「友だちやで」、貴司が「そやで」と答えた。舞は恋人だった柏木(目黒蓮)と別れて久しいだけに、今後の貴司との関係性の変化が気になるところだ。

 第78回には、舞が母・めぐみとともに参加した航空機産業参入支援セミナーで、挙手し、参入策を提案する場面があった。それは、パイロットを目指していた人というより、夢と情熱、発想を持って会社を運営しようとする経営者の卵のようにも見えた。

 熊野氏は「人間性という意味で、パイロットと経営者は近い部分があると思う。いずれも、先頭に立って判断しなくてはいけないのと同時に、一緒に働く仲間たちのことを見て進んでいかないといけない。パイロットになるための資質、経営者になるための資質は舞の人間性に重なっていると思う」と話す。

 舞はこのまま経営者への道を歩んでいくのか、それとも…。目が離せない展開がこれから続く。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局総合コンテンツ部専門委員。テレビやラジオ、映画、音楽などを担当。

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2023年1月24日のニュース