「どうする家康」ネット話題 家康は寅年?卯年?脚本・古沢良太氏が諸説ヒントに“出生エピソード”発想

[ 2023年1月17日 06:00 ]

大河ドラマ「どうする家康」第2話。於大の方(松嶋菜々子)は松平広忠(飯田基祐)を制し…(C)NHK
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 嵐の松本潤(39)が主演を務めるNHK大河ドラマ「どうする家康」(日曜後8・00)は今月15日、第2回が放送され、主人公・徳川家康の生まれた干支がインターネット上で話題となった。制作統括の磯智明チーフ・プロデューサー(CP)に話を聞いた。

 <※以下、ネタバレ有>

 「リーガル・ハイ」「コンフィデンスマンJP」シリーズなどのヒット作を生み続ける古沢良太氏がオリジナル脚本を手掛ける大河ドラマ62作目。弱小国・三河の主は、いかにして戦国の世を生き抜き、天下統一を成し遂げたのか。江戸幕府初代将軍を単独主役にした大河は1983年「徳川家康」以来、実に40年ぶり。令和版にアップデートした新たな家康像を描く。古沢氏は大河脚本初挑戦。松本は大河“初出演”にして初主演となる。

 第2回は「兎と狼」。今川義元(野村萬斎)がまさかの討ち死。織田軍に包囲され、松平元康(松本)は絶体絶命。しかし、織田信長(岡田准一)は突然、退却を始めた。元康は大高城を捨て、瀬名(有村架純)が待つ駿河・駿府に帰ろうとするが、家臣団は故郷・三河に戻りたいと猛反対。元康は渋々三河へ向かうが、敵の罠にハマり、重臣・鳥居忠吉(イッセー尾形)が大ケガを負うなど、松平軍は大混乱に陥る。何とか三河・岡崎の大樹寺に逃げ込むが…という展開。

 本多忠勝(山田裕貴)の“真の望み”を知り、信長に揉まれた少年時代の記憶がよみがえった元康は、自害を踏みとどまる。大樹寺の門を開き、騙し討ちに遭った松平昌久(東京03・角田晃広)に咆哮。威厳を示した。

 「松平蔵人佐元康である。我らこれより、本領岡崎へ入る。我が首欲しければ取ってみるがよい。かかってまいれ!ただし!ただし、岡崎で我が帰りを待つ千の兵たちが怒りの業火となって、貴殿の所領に攻め入るであろうからしかと覚悟せよ。また、いったんは敗れたる今川であれど、新当主・氏真様のお力で早晩立ち直るは必定!その今川と我らを一度に相手できるならばやってみよ!三河は我が父祖が切り取った国じゃ。必ずやこの元康がいま一度平定し、いかなる敵からも守ってみせる。織田からも武田からも守ってみせる!わしは(振り返り、家臣団に)寅の年、寅の日、寅の刻に生まれた武神の生まれ変わりじゃ!そなたたちのことは、このわしが守る!わしが守るんじゃ!」

 岡崎に帰還した元康は「皆の者!案ずることはない。今川様は必ずよみがえる。そして、この元康は寅の化身じゃ!いかなる敵も、恐るるに足らず。織田信長など蹴散らしてくれようぞ!」と力強く民に呼び掛けた。

 時は元康誕生へ。母・於大の方(松嶋菜々子)は我が子を抱きながら「この子はきっと強い武者になりましょう。何せ、寅の年、寅の日、寅の刻に生まれましたゆえ、寅の化身のように逞しくなるに違いありません」と笑顔。父・松平広忠(飯田基祐)が「そうか、寅の化身。ん?於大よ、年が明けて、今年は兎(卯年)じゃ。となると、兎の…」と気づくと、於大の方は「しっ」と制し「寅です。数日早く生まれたことにすればよいのです。この子は寅の生まれ、寅の子です。兎などいけませぬ。狼に狩られてしまいます」――。

 信長は「生き延びおったか。いよいよ食らいに行くか、白兎を」。襖を閉めた元康は「どうしよう、これから」。覚醒したかと思いきや、再び“頼りないプリンス”の顔に戻った。

 徳川家康の生まれは天文11年(1542年)12月26日とされており、この年は寅年。ところが、磯CPによると「家康自身が『自分は卯年生まれ』と書いた記録が残っているんです」。家康が征夷大将軍になった慶長8年(1603年)、無病息災などの願文を出した際、自ら「六十一歳卯歳」(数え年)と記したという。このことから、天文12年(1543年)生まれという説も考えられるようになっている。

 「生年について諸説ある中、年の瀬の騒々しさも重なり、竹千代を披露するのが翌年初頭のことになってしまい、周囲に卯年に生まれたと思われてしまった雰囲気を、於大が寅年の生まれだと言い払うシーンにしています。古沢さんならではの発想で、家康誕生のエピソードを練り上げてくださいました」。今川義元(野村萬斎)退場から劇的にスタートした初回に続き、“古沢マジック”が炸裂した。

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2023年1月17日のニュース