滝沢氏退社ファンもショック 薄まるジャニー喜多川イズム 井ノ原、Jr.の運命左右…試される手腕

[ 2022年11月1日 05:00 ]

滝沢秀明氏 ジャニーズ事務所退社

ジャニーズアイランドの新社長に就任した井ノ原快彦
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 ジャニーズ事務所は再び大きな転換期を迎えることになった。滝沢氏は前社長の故ジャニー喜多川さんの後継者となるべく、2018年をもって芸能活動を引退。19年1月に新会社「ジャニーズアイランド」の社長となり、ジャニーさんをサポートしながら、ジャニーズJr.の発掘、育成、舞台やコンサートのプロデュースなど、帝王学を一番近くで学んだ。

 その滝沢氏がいなくなることは、“ジャニー喜多川イズム”が薄まるということにほかならない。19年7月にジャニーさんが死去し、昨年8月に姉で事務所名誉会長だったメリー藤島さんも他界。アイドル帝国を築いた2人がこの世を去り、滝沢氏に託された期待は大きかった。

 世間の注目を集める大胆な手法はまさにジャニーさん譲りだった。20年にSnow ManとSixTONESが同時デビューしたが、19年にSnow Manは6人だったメンバーに3人を加える改革を断行。SixTONESのデビュー曲の制作は「X JAPAN」のYOSHIKI(年齢非公表)に依頼した。先月にはTravis Japanも事務所初の全世界デビューを果たした。さらなる成長を期す3組からすれば急な離脱は打撃。ファンから滝沢氏への信頼も厚かっただけにショックは大きいだろう。

 アイランドの新社長となる井ノ原の手腕については未知数。東京と大阪で300人以上とされるジャニーズJr.メンバーの人生が、井ノ原次第で左右されるという重責を担う。ジャニーさんが最後に特に目をかけていたグループの「HiHi Jets」「美 少年」の2組のデビューは至上命令。また来年3月からは昨年導入を発表した「22歳定年制度」の適用が始まる。デビューできないメンバーともしっかりと向き合っていく必要がある。

 井ノ原はタレント業も継続し「プレーイングマネジャー」という形を取る。裏方に専念した滝沢氏と異なるが、これがどう影響するかも分からない。

 自身もJr.として7年活動し、V6としてデビューした。V6はメンバーが一人もやめずにデビューから解散まで26年間活動した希有(けう)なグループだ。この成功体験を次世代にどう伝え、自身がどう生かしていくのか。手腕が試される。(糸賀 日向子)

 ≪これまでの経緯≫
 ▼2018年12月31日 滝沢氏が芸能界を引退。タレント育成、舞台演出など裏方専念
 ▼19年1月 ジャニーズJr.のプロデュースや新人発掘を手がける新会社「ジャニーズアイランド」の社長就任
 ▼同2月3日 引退後初の演出舞台「滝沢歌舞伎ZERO」開幕
 ▼同7月9日 ジャニー喜多川さん死去
 ▼同9月 ジャニーズ事務所の新体制が発表され、藤島ジュリー景子氏が社長、滝沢氏が副社長に就任。メリー藤島副社長(当時)は会長に就任
 ▼20年1月22日 滝沢氏が手がける「SixTONES」「Snow Man」の2組が同時CDデビュー
 ▼同12月31日 少年隊が活動停止。錦織一清と植草克秀は退所。嵐が活動休止
 ▼21年3月31日 TOKIOの長瀬智也が退所し、残るメンバーは関連会社「TOKIO」を立ち上げ移籍
 ▼同4月30日 近藤真彦が退所
 ▼同8月14日 メリー藤島さん死去
 ▼同11月1日 V6が解散。森田剛が退所
 ▼22年10月28日 滝沢氏が手がける「Travis Japan」が約250カ国で配信デビュー

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