藤井竜王 迷わず鋭手一気の寄せ 早め休憩後△4三同金右

[ 2022年1月24日 05:30 ]

第71期ALSOK杯王将戦第2局第2日 ( 2022年1月23日    大阪府高槻市「山水館」 )

王将戦第2局第2日・A図                                    
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 【関口武史 第2日のポイント】2日目は封じ手の△3五銀の踏み込みから藤井が徐々にリードを広げる。飛車と角の交換後、渡辺は▲2二歩と戦線を拡大し紛れを求めたが、藤井は際どいタイミングの△7九飛に40分、先手陣を切り崩す△3六歩に30分と立て続けに時間を投入する。

 分岐点、分岐点で自身が納得いくまで時間を使い、指し手を追求する藤井。方向性を定めた上で戦術的に時間配分を怠らない渡辺。両者の違いは印象的だ。

 さらに細かく動き、迎えたA図。本譜の△4三同金右はすぐに指せるのだが、この局面が決めどころと見た藤井は、昼食休憩の時間も活用するため、早めに休憩入りを宣言。

 A図から△4三同金右▲同角成△同金の後、▲4四歩△同金▲4五銀右の激しい変化(先手の6九角が▲2五角と活用されると藤井にとって厳しい)と本譜の▲8六金の穏やかな変化、この2つを読みきる決意がにじみ出る。

 昼食休憩の1時間を含むと、97分の考慮で藤井は本局の終盤に見通しを立てた。再開後は少考のみ。先手の▲8六金に△9七竜の細かいステップが渡辺の軽視した好手。続けて△6七香~△3四桂と立て続けに渡辺陣の急所に鋭手を突き刺し一気に寄せ切った。A図から勝ちを読み切った藤井が会心の出来で連勝だ。(スポニチ本紙観戦記者)

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