「視聴率女王」細木数子さん、先行き不安な時代に毒舌キャラでバラエティーに一時代

[ 2021年11月11日 05:30 ]

細木数子さん死去

TBS「ズバリ言うわよ!」に出演していた細木数子さん(TBS提供)
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 かつて「視聴率女王」として君臨した細木さん。当時「私的にはなるべくしてなった。時期が来た」と自信満々に語るほど、多くの伝説を残してきた。

 ブレークしたのは2000年代前半。特に04年にはテレビ各局の特番に出演し全て20%超え。大みそかの日本テレビ特番では、NHK「紅白歌合戦」の裏番組として高数字の14・4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を叩き出した。

 さらにTBS「ズバリ言うわよ!」が始まったことで、同時間帯の日本テレビ「火曜サスペンス劇場」の視聴率が急落。翌年9月に24年間の歴史にピリオドを打たせ、制作側に苦い思いを味わわせた。

 また、細木さんといえば改名。元タレントのコアラ(52)が「ハッピハッピー。」に、お笑いコンビの「×―GUN」が「丁半コロコロ」に変更するなどした。映画のタイトルも“鶴の一声”で改名させたことがある。女優の南野陽子(54)らが出演する映画「ゴーストネゴシエイター」が「ゴーストシャウト」に変更されるなど、絶大な影響力を誇っていた。

 時は就職氷河期。首相は小泉純一郎氏(79)、テレビでは司会者のみのもんた(77)が大活躍していた。テレビ関係者は「ズバズバと言う人が人気の時代。先行きを不安に感じる中、厳しく叱咤(しった)する細木さんの言葉は、多くの人に刺さったのでは」と推測した。

 毒舌キャラで親しまれたが、番組では家庭料理や雑巾の縫い方、時には寺社仏閣の参拝方法などマナーを説き若い女性の支持を獲得。関係者は「常識を踏まえた上での毒舌だった。のちのマツコ・デラックスや、坂上忍のキャラクターにつながったのではないか」と話す。08年3月に「本業に専念する」とレギュラー出演を終了するまでスポットライトを浴び続けた。

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