井上慶太九段「2人とも『まさか』という感じでした」 慶事ラッシュにえびす顔

[ 2021年10月21日 11:35 ]

井上慶太九段
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 インターネットテレビ局「ABEMA」で12月中旬から配信される新番組「第1回ABEMA師弟トーナメント inspired by 佐藤康光」の収録が都内で行われ、井上慶太九段(57)らが参加した。

 日本将棋連盟会長の佐藤康光九段が発案した師弟戦。非公式戦ではあるが、師匠にとっては愛弟子とタッグを組み優勝を目指す大舞台とあり、師匠サイドは皆、晴れやかな笑顔が印象的だ。

 中でも今回の出場棋士では最多6人の棋士を門下に抱える井上はえびす顔。王位のタイトル経験者で現在順位戦A級所属の菅井竜也八段(29)、名人挑戦経験で前期NHK杯覇者の稲葉陽八段(33)、難関の公認会計士試験に合格した異色の経歴を持つ船江恒平六段(34)、飛ぶ鳥を落とす勢いで勝ち星を重ねる出口若武五段(26)、さらに横山友紀四段(21)、狩山幹生四段(19)と多彩なメンバーが顔をそろえる。

 この10月には横山、狩山の2人が同時にプロ入りを果たした。原則的に半年に2人、プロになることができる昇段枠を同じ門下で占めるのは2013年4月以来、8年半ぶりのこと。さらに、今年1月には稲葉、4月には出口が相次いで結婚を発表。一門にとっては慶事ラッシュだったことも破顔の要因だ。

 「稲葉くんも出口くんも、2人とも『まさか』という感じでした。結婚してさらに充実した感じを受けますね。元々才能があると思っていましたけど、落ち着きが出てきたなと思います。

 (結婚発表の)ちょっと前に菅井くんが『稲葉さんは結婚するはずないでしょ~』とか言っていたんですけど、その時に私はすでに稲葉くんが結婚することを知っていたので、何と言っていいのかホンマに…申し訳ないなと思いましたね(笑い)」

 多くの棋士を輩出する『名門』ながら、井上の指導方針はいたってシンプルだ。

 「自分としては技術のことを言った記憶はないです。挨拶とか礼儀作法とか、相手に迷惑をかけないということはきっちりやってほしいなというのはあります。伝わっているかどうかはわからないですけど、一番意識しているところではあります。

 私も弟子を取り始めて20年くらいになりますけど、やっぱり年代といいますか、昔の中学生、高校生と今の子たちは違いますね。その辺でちょっと時代に合わせていかないといけないのかなとも考えています」

 第1回ABEMA師弟トーナメントでタッグを組むのは誰か。井上にとってはこの上ない幸せな悩みの種だろう。
 
 「ABEMAトーナメントは観る方だったんですけど、参加できるとは。この年になって新しいものに挑戦できるというのはありがたいなと思います。弟子が活躍してくれているので私も出させてもらえると思うので、その辺は弟子に感謝ですね。

 第2回以降にも選んでいただけるのであれば、(今回タッグを組む弟子以外にも)その他いろいろいますので6回くらいまで行けますね。でも師匠を替えたいと言われるかもしれないので、師匠も頑張りたいと思います(笑い)」

 注目の「第1回ABEMA師弟トーナメントinspired by 佐藤康光」は、12月中旬からの放送開始を予定している。

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2021年10月21日のニュース