五木ひろし 12&13日、覚悟の有観客フェス開催「僕が先陣切ってやりたい」

[ 2021年5月10日 05:30 ]

インタビューに答える五木ひろし(撮影・尾崎 有希)
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 新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言の延長で、東京都が12日以降の休業要請などの措置を独自に決めたことを受け、芸能界に波紋が広がっている。演歌の大御所、五木ひろし(73)は本来なら宣言明けだった12日に開幕予定だったイベント「ITSUKIフェス」を、有観客で開催することを決断。一方、休業要請が続く映画館の関係者からは「なぜ映画だけ」の声も上がっている。 昨年50周年を迎えた五木が直面したキャリアでも指折りの難題。開幕の3日前に下した決断は、動員制限なしでの開催決行だった。

 12、13の両日、東京・渋谷公会堂で予定されていた「ITSUKIフェス」。和田アキ子(71)、岡村隆史(50)、武田真治(48)、「ももいろクローバーZ」らが出演予定のイベントで、五木が「50年の集大成。特にコロナ禍の中、僕なりに強い思いが詰まっている」という大舞台だ。

 当初、開幕日の12日は宣言明けの当日だった。宣言解除なら、仮にまん延防止等重点措置に移行しても、収容人数が5000人以下で観客が大声を上げなければ動員制限がない。そのため、前売りでは2000席弱の客席をフルで発売していた。関係者によると「すでに80%程度売れている」という。

 そこにきての延長。都の独自措置で、12日以降は上限5000人かつ収容率50%以下であれば、コンサート開催は可能となった。ただ、収容率80%の状態で開催できるのかという問題が浮上。この点も国や都と協議を重ねた結果クリアできた。

 感染拡大が止まらない現状を第一に考え、一時は自主的な公演中止に大きく傾いたこともあったという。

 しかし、最終的には「音楽業界には困ってる人が山ほどいる。何とか動きだしていかないと、音楽という文化がなくなってしまう」との思いが強まった。「音楽がなくても生きていけるという意見もあるかもしれない。しかし日本人は神代の昔から、音楽でつながり生きてきた。僕が先陣を切ってやりたい」と覚悟を口にした。

 一方で、宣言や都の独自措置に科学的根拠が乏しいとの指摘もある。芸能界だけでなく国民も翻弄(ほんろう)されている現状。「先が見えないというのは困る。僕は強い覚悟で歌を届けようとしている。同じような覚悟を感じられる言葉を(政治家から)聞きたい」と語った。

 ≪新曲も同日発売≫新曲「日本に生まれてよかった」も12日に発売する。「ピンク・レディー」などを手掛け、4月に文化庁長官に就任した都倉俊一氏(72)が作詞作曲を手掛け、五木とは初のタッグとなる。四季や人の優しさなど国の美点や美徳を歌う曲。五木は「自粛などの期限をしっかり決めることができれば、日本の国民は頑張れる。そういうところも美しい。戦争以来の大変な状況下、この曲で何年かけても、日本の素晴らしさを広く伝えたい」と意気込んでいる。

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