赤江珠緒アナ 家族が陽性になったら… 自身の体調は「万全とは言えませんが」

[ 2020年4月16日 14:07 ]

フリーアナウンサーの赤江珠緒
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 テレビ朝日「報道ステーション」のディレクターを務める夫が新型コロナウイルスに感染していることが明らかになったフリーアナウンサー赤江珠緒(45)が16日、パーソナリティーを務めるTBSラジオ「赤江珠緒 たまむすび」(月~木曜後1・00)にA4の紙5枚にもおよぶ長文のコメントを寄せた。

 外山恵理アナウンサー(45)が代読した赤江アナのメッセージ全文は以下の通り。

「たまむすび」リスナーの皆様へ、いかがお過ごしでしょうか、赤江珠緒です。

今週月曜日から出社できず、ご心配をお掛けしております。その間、たくさんのメッセージありがとうございました。心から御礼申し上げます。

PCR検査の結果が出ましたので、ご報告させていただきます。我が家の状況は夫が陽性で感染していました。

11日土曜日から発症し、現在は熱が上がったり、下がったりという状態です。夫の症状が出てからも検査結果を待つ間、しばらく自宅で過ごしておりましたので、私と娘も検査してもらえるよう、現在も自宅で、待機しております。

そんな慌ただしい数日間でしたが、私なりに考えたことがありましたので、それもお伝えしますね。

未知の病ということで、この病気に関しては周囲の目が他の病よりも気になりますよね。私の場合は、実名で報じられるため、選択の余地はないのですが、いまだにかかったことを周囲に知られたくないという方も少なくないと聞きます。そして実際に、私のように現実に迫ってくるとその心理もわからなくないです。

例えば、防護服姿も日常生活では見慣れていなくて、保健所から家の前に迎えがくるという状況になったら、誰かの迷惑にならないかとか、余計なことを考えてしまいました。

でも、そういう思いが強まりすぎて、状況をひた隠しにすればするほど、この病の実態が世の中に見えてこない気もしています。できるだけ、他人にうつさないように、細心の注意は払うべきですが、それでもかかってしまうのが世界の状況です。感染ルートをたどる意義も当然あるでしょう。ただ、誰が誰にうつした、この人の前のその前は誰?という過剰の犯人捜しは、今、この時点において必要でしょうか?

もちろん、かからないことがベストですが、その一番の目標のもとにかかった場合、なるべく体力的にも精神的にも軽めに治すという、2番目の目標を掲げる時期に来ていると感じています。

そのために、うちの場合はこうです!ということ、その中でお役に立てることが少しでもあればと思い、以下、感じたことをまとめました。

この病気はかなり個人差もありますし、それぞれの家族構成、生活状況、お住まいの地域、体質などによって問題点はそれぞれ変わってくると思います。参考にならないこともあるでしょうが、すべての経験者が自分はこうだったと、正々堂々と発信して、この病の輪郭がもっと確かなものになればいいなと願っています。ですので、その一例として、我が家の今日までの状況で気づいたことをお伝えします。

我が家は夫40代、私40代、娘2歳の3人家族です。夫がPCR検査を受けてから結果は3日後にわかりました。その前に肺のレントゲンで肺炎の症状がありましたので、おそらく陽性とみて、自宅で待機。家族で社会生活を止めることにしました。このように、家族一人がかかっても全員家を出られないケースが誰の身にも突然やってくるかもしれません。

事前にできる準備としては、

1)2週間分の隔離生活の用意をスーツケースなどにある程度まとめておく。発熱してからだと慌てます。その中で意外と忘れがちな入院グッズはサンダル、シャンプー、リンス、洗顔料、ドライヤー、冷却できるものがあればオススメとのことです。夫は上記のものをすべて忘れていたので、Amazonで取り寄せたそうです。

2)もっと事前にできることとしては、家を少しでも片付けて、できるだけスペースを取っておくこともお勧めします。自宅での対応には限界がありますが、家庭内の動線がわかりやすくなりますし、消毒していく箇所も多少片付いているとやりやすいです。あと、体調に異変のない家族の運動スペースにもなるかと思います。

3)玄関前の食品など、必要なものを届けてくれる存在の確認。ネットを駆使して出前できるお店のチェックをしたり、友人、近所付き合いの声かけも必要かと思います。私も実際、まったく出られないのでマネジャーや友人にドアノブの前に置いて行ってもらう、ありがたい、傘地蔵方式を取っています。

4)と同時に、他の怪我や病気になっても、簡単に出られないので、置き薬、もうされているかもしれませんが、持病がある方は処方箋(せん)を事前に発行してもらって、他の人に頼める状態にするのも必要だなと思いました。それでも、万が一の時の怪我の時の、専用救急車なども拡充されているんだろうか?なんてことを考えました。

5)我が家の場合は親が共倒れになった場合の子どもの面倒は誰がみるのか?という問題があります。共に陽性だった場合、母子ともに同室、同じ部屋だそうですが、40度近い熱の上がり下がりの中でオムツを変えたり、具合が悪くなく、遊びまわりたい、まだ病気のことなど理解できない子どもと同室で果たして療養できるのだろうか?これに関してはまだ情報もなく、解決策もまだ思いついていません。夫と私の発症のピークがせめてずれることを願うばかりです。

6)そして、病と戦ううえで、もう1点気になっているのは、PCR検査で陰性、回復の状況がしっかり確認されれば、今度はその人が社会に戻って、社会を回していける、というような世間の理解がどの程度あるのだろうかという点です。ウイルスを警戒して、きちんと恐れて、感染者を増やさないことと同時に、このウイルスとある程度共存していく社会の理性が育まれなければ、この病との戦いはますます厳しくなってしまう気がしてなりません。コロナを忌み嫌うあまり、本来の致死力以上の怖さをこの病に与えてしまってはいけないのでは、そんなことを考えました。

長々とつづってしまいました。これが今、4月15日深夜時点での私なりに感じたり、考えたことです。

私の体調はというと、連日の激変の生活に多少疲れはあって、残念ながら万全とは言えませんが、今のところ、子どもを寝かしつけてから、この手紙を書くぐらいの余力はあります。

これ以降は保健所の方と相談しながら、進めてまいります。当面、通常の放送は叶いませんが、そこは超強力なパートナーと、いつも本当に気持ちよく代理を引き受けてくれるえりちんがいるので心配はしていません。

えりちん、いつも本当にありがとう。はっきり正直にものを言うあなたが、ラジオは好きな仕事だからいいの!と言ってくれるので、ああ、本当に好きなんだろうなと思って、甘えてしまっています。ごめんね。

しばらく基本的には番組をお休みして、家族のことを優先させていただきます。手紙という形でのご報告、せめて直筆でと思ったら、きょうも例によってFAXになってしまいました。スタッフごめんよ、少数精鋭が信条のラジオですので、私が言うのも何ですが、みんなもどうぞ体調に気を付けて。あとは月並みなことしか言えませんが、踏ん張ってまいります。

「たまむすび」なのに、明るい内容じゃなくて、面白いことの1つも言えず、すみません。あ、そうそう。入院用に用意するサンダルですが、あのRAG FAIR土屋礼央氏も愛用のたまむすビーチサンダルがオススメです。

では、リスナーの皆様、どうぞご自愛ください。ではまた、赤江珠緒。

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