折田翔吾アマ プロ相手に6連勝 「盤上のアルファ」ばりの“再挑戦”に期待

[ 2019年3月1日 10:30 ]

 2月24日までNHKBSプレミアムで放送された、将棋を題材とするドラマ「盤上のアルファ〜約束の将棋〜」(全4回)を興味深く見た。上地雄輔(39)が演じる元奨励会員が挫折を乗り越えて、プロへの登竜門となる三段リーグ編入試験に挑むストーリー。玉木宏(39)が熱演する、社会部から文化部将棋担当に異動した新聞記者が主役という設定にも引き込まれた。

 将棋界ではこれとは別に、プロ棋戦で好成績を挙げたアマチュア棋士に直接チャンスを与えるプロ編入試験がある。昨秋公開の映画「泣き虫しょったんの奇跡」でもテーマとなったが、現実では2014年末に合格した今泉健司四段(45)を最後に受験者が出ていない。このほど、そのチャンスをつかみつつあるアマ棋士が現れた。囲碁・将棋チャンネルが主催する一般棋戦の銀河戦に出場中の折田翔吾アマ(29)が、プロ相手に6連勝を飾り、16人による決勝トーナメントへの進出を決めた。

 勝ち抜き戦形式をとる銀河戦は、各ブロックの最終勝者と最多勝利者が決勝トーナメントに進む。アマ棋士の決勝トーナメント進出は「しょったん」こと瀬川晶司六段(48)以来の快挙だった。折田アマは16年3月までの三段リーグを最後に奨励会を退会。その後はネットを活用した将棋教室などで普及活動に取り組みながら、アマ大会で好成績を挙げてきた。

 折田アマが6連勝で破った相手に、瀬川と今泉が含まれているのも運命的といえよう。編入試験の受験資格は、プロ公式戦で10勝5敗以上の成績を挙げること。ドラマに描かれたような再挑戦が実現すれば、玉木記者のように熱く追いかけてみたいと思う。(記者コラム)

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2019年3月1日のニュース