「快傑えみちゃんねる」1000回 上沼恵美子のMC力で老舗の味 一時は視聴率苦戦に涙“番組愛の証明”

[ 2019年3月1日 08:00 ]

司会を務める「快傑えみちゃんねる」が放送1000回を迎え、十朱幸代から花束を受け取る上沼恵美子(左)(C)カンテレ
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 関西バラエティー界の女王・上沼恵美子(63)が司会を務める関西テレビ(カンテレ)「快傑えみちゃんねる」(金曜後7・00、関西ローカル)は1日、放送1000回を迎える。同局の梅田一路プロデューサーに番組制作の裏側、長寿の秘訣などを聞いた。

 1995年7月10日にスタート。今年7月に放送25年目に突入し、ゴールデンタイムに放送されている女性メーン司会による関西民放バラエティー番組として最長記録を自ら塗り替えている。昨年11月放送の「開局60周年!カンテレ8ppy大感謝祭」において「関西人1万人が選ぶカンテレ人気番組」1位に輝いた。

 16年11月、放送900回を迎えた際には「1000回というのは言葉で言うと簡単ですが、あと100回の放送を重ねるには2年半ほどかかります。テレビ離れの進んだ今の時代、ゴールデンタイムで2年半続けるというのは大変なことです」と語っていた梅田氏。前人未到の偉業を成し遂げ「感無量です。番組が始まって約24年、『えみちゃんねる』はテレビ離れが進んだ今でも関西の視聴者の皆さまにしっかりご覧いただいております。それに勝る喜びはありません。1000回を迎えた達成感はありますが、見てくださる視聴者がいる限りは止まることはできないと思っています。1日でも長く、番組を続けられたら幸せです」と率直な心境を明かした。

 上沼は1000回到達に「頂上に今、旗を立てました。頂上の上はもうないわけです。他の高い山に登る体力はない。だったら、この頂上からの景色を楽しもうと思います」としながらも「かといって落ち着くわけではなく、今まで以上に『えみちゃんねる』らしい重厚なものを出していきたいと思います」と決意を新たにし、意気軒高に語った。

 900回の時、梅田氏は長寿の要因について「上沼さんのトークが屋台骨。結婚、出産、育児、家事、嫁姑問題…主婦が経験することすべてを体験してきた上沼さんのフィルターを通すからこそ生まれる切り口があります」「上沼さんは収録の1日前に渡される約100ページに及ぶ台本を入念にすべてを読み込み『このゲストのエピソードから、こんな話を展開しよう』と考えてこられます。ご自身の番組に対する上沼さんの責任感の強さは、収録現場にいい緊張感を生んでいます。ディレクターも、台本にすべて目を通した上沼さんと対峙するわけですから。900回続いても、収録中に上沼さんとスタッフとの間に流れる緊張感は1回目から変わってないと思います」と分析。

 今回、同じ質問をぶつけたが「1000回を迎えるまでマンネリの山は何度も越えてきました。ゲストさんも何周も回っていますが、番組のおもしろさは一度たりともブレたことはないと思います。それは、上沼さんがゲストのエピソードを頭に入れてこられ、新しい切り口や笑いの隙間を見つける努力を常にされているからだと思います。収録当日、上沼さんとの打ち合わせ中、雑談で盛り上がったおもしろいテーマをそのまま本番で展開されることもあり、台本には載せていない部分で大盛り上がりします。それを即座にできるところが上沼さんのMCとしての力だと思います」と改めて感服した。

 ゲストを招いた「トーク60分一本勝負」という番組スタイルは当初から変わらない。2007年4月から制作に携わる梅田氏は「『えみちゃんねる』の屋台骨は、やはり上沼さんのトークです。ゲストのあらゆる角度のエピソードを上沼さんの懐の深さで受け止め、さらにおもしろい味付けをしていただき、大爆笑を誘う流れこそが番組のエッセンスです」と上沼の話術が要だと説明し、こんな秘話を打ち明けた。

 「ご自分の番組に対してとてつもない愛情を持っておられる方ですので、視聴率が落ち込んだ時、楽屋で一緒に泣いたことがありました。その時、我々が励まさないといけないのに『“えみちゃんねる”はカツオと昆布で出汁を取った老舗の味。視聴者はちょっと別の店の味を試したくて浮気しているだけ。必ず老舗の味が恋しくなって戻ってくるから、絶対に出汁(番組の屋台骨)は変えたらアカンよ』と逆に励ましていただきました。上沼さんがおっしゃった通り視聴率は戻り、今も高視聴率を頂いています。本気で向き合っていないと、視聴率のことで涙なんて出ないと思います。上沼さんがいかに自分の番組を大事にされているかを、その涙が証明していると思いました」

 1000回SPはタイで収録。ゲストは花田虎上(48)TKO・木本武宏(47)はるな愛(46)DJ KOO(57)宮崎謙介氏(38)十朱幸代(76)。梅田氏は「タイ・バンコクへ行っておりますが、『えみちゃんねる』の屋台骨であるトークをたっぷりとお送りします。開放的な気分になる中、十朱さんをはじめゲストの方々から『そんなことまでしゃべっていいの!?』というスタッフもビックリの禁断マル秘トークを頂いています。また、ゴージャスなステージ衣装を購入するショッピングにも出掛けましたが、普段の『えみちゃんねる』では絶対に見られない上沼さんの姿がご覧いただけます。お楽しみに」とアピールしている。

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2019年3月1日のニュース