「なんでんかんでん」川原氏 大ブーム作るも「ノー店舗でフィニッシュ」に

[ 2017年3月13日 22:13 ]

 豚骨ラーメンの人気店として一世を風靡(ふうび)した「なんでんかんでん」の川原ひろし氏(53)が、13日放送のテレビ朝日「しくじり先生 3時間スペシャル」(月曜後7・00)に出演。東京に豚骨ブームを生み出して大人気店となり、テレビ番組「マネーの虎」のカリスマ社長として川原本人も話題になったが、安定的な経営が出来ずその後全店舗を閉店。「ノー店舗でフィニッシュ」したことを反省した。

 川原は福岡から歌手を目指して上京したが、東京には“なんちゃって豚骨ラーメンしかない”ことに気付き、開業資金の800万を父に借り、父の会社の子会社として1987年に環状7号線沿いに「なんでんかんでん」をオープン。しかし当初の2年半で2500万の借金を作り、焦って東京じゅうの出版社にラーメン無料券のついたファクスを送りまくると取材が殺到。「豚骨ラーメン店では都内に右に出る店はない」「本場の博多よりうまい」などと記事にしてもらえて評判となり、話題作りの「プリント海苔」(海苔の表面に食用インクで文字がプリントされていた)で広告をとったり、硬い麺の表現として知られる「粉落とし」を名付けたりと、やることなすこと大当たり。店は3時間待ちの大行列、1日の売上3万円が120万となり、なんでんかんでんフーズ株式会社代表取締役に就任。年商4億まで売り上げたという。

 しかし、スープの異臭問題、行列の騒音、路上駐車による環七渋滞などで近隣住民から苦情が相次ぎ、警察も出動。さらにしくじったのが、1日300杯分しかスープが作れなかったのに1200人集まってしまうため、「スープを4倍も薄めてしまう」と、お客が激減して売り上げは10分の1以下に。これを教訓に、小さなほころびを無視しないと意識し、駐車場を増やし、スープの濃さをもとに戻すと絶頂期の半分まで売上も戻ったという。そうした苦労を続けていた頃、「マネーの虎」への出演オファーがあり、認知度が大幅にアップして店の人気が大復活!年商は5億円となった。

 しかし調子に乗って江の島に海の家を出店して500万の赤字、オリジナルTシャツをドーンと作って大量在庫、「ラーメンロック」でCDデビューしてまったく売れずと大失敗。さらにはスタッフに1700万持ち逃げされ、店をほったらかしにしていたことで気付くと焼肉店になっていたりして結局はマイナス2000万を計上。やはり本業や得意分野に真摯に打ち込むことで成長できる、店には必ず1時間でもいいから立ち、現場に出ることが大事と教訓を得て売り上げが回復してくると、またスープを薄めてしまう。そして、「3回目は店が無くなった。ノー店舗でフィニッシュです」と笑わせ、今から4年前、開業から26年で全店舗を閉店することになったという。

 しかし、復活して欲しいというリクエストも多くあるといい、「2017年は復活の年にしたいので、たくさんのお客様と触れあってがんばっていきたい」と話していた。

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2017年3月13日のニュース