坂本龍一 山田洋次監督新作で仕事復帰「ぼくは本当に幸せ者」

[ 2015年8月3日 05:30 ]

中咽頭がんを克服し、復帰第1弾として山田作品に初めて音楽を提供する坂本龍一

 音楽家の坂本龍一(63)が、山田洋次監督(83)の新作映画「母と暮せば」(12月12日公開)で音楽を担当する。坂本が山田作品を彩るのは初めて。昨年7月に中咽頭がんを公表し、治療に専念していたが、克服してこれが仕事復帰となる。寅さん映画の大ファンといい、「このような大作が、病気からの復帰後第1弾の仕事なのですから、ぼくは本当に幸せ者です」とコメントを寄せた。

 吉永小百合(70)と嵐の二宮和也(32)の母子役共演も話題を呼ぶ作品は、10年4月に75歳で亡くなった井上ひさしさんの遺志を継ぎ、山田監督が戦後70年の節目に発表する意欲作。長崎で助産師として暮らす母親のもとに、原爆で亡くなったはずの息子が姿を現すファンタジーだ。

 山田監督の頭の中には、企画段階から坂本の名前があった。昨年4月に池袋の東京芸術劇場で開かれた坂本の公演を訪れて打診。同行した吉永が橋渡しを務めた。ライフワークの原爆詩の朗読会で坂本にピアノ伴奏を務めてもらった縁もあり、キューピッド役を担った。

 坂本は「この2人に何かを頼まれて断れる日本人がいるでしょうか。長崎が舞台となっています。核のない世界を望んでいるぼくとしては、これはやるしかありません」と依頼に快諾で応えた。

 山田監督は「坂本龍一さんと組んで仕事をするのは長年の夢でした。ぼくの頭の中にはすでに美しい音楽が鳴り始めています」、吉永も「うれしくてうれしくて舞い上がっています」と感激している。

 坂本は7月27日に娘の坂本美雨(35)が女児を出産し、おじいちゃんになったばかり。快気と合わせて、喜びの二重奏の中、音楽制作にとりかかる。

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