今輝く男たち 又吉直樹、福士蒼汰、油井亀美也さんの共通点とは

[ 2015年8月3日 11:15 ]

芥川賞を受賞したピースの又吉直樹

 最近、紙面をにぎわす、ジャンルも年代も違う顔ぶれに、共通点があることをご存じだろうか。お笑い芸人初の芥川賞に輝いた又吉直樹(35)、宇宙に飛び立った“中年の星”油井亀美也さん(45)、「月9」ドラマの主演を射止めた今をときめくイケメン福士蒼汰(22)。

 実は、この3人は全員2人の姉を持つ「姉持ち男子」だ。スポーツ界を見渡しても、フィギュアスケートの羽生結弦(20)、テニスの錦織圭(25)も姉が1人いる。芸能界では、今年の「24時間テレビ」のマラソンランナーとして注目を集めているミュージシャンのDAIGO(37)も。なぜか、いま、各方面で光輝いている「姉持ち男子」なのだ。

 優しくソフトな人当たりながら、1本芯が通り、自分の道を突き進む人柄が共通している。その柔軟性と根性を育む環境とは?

 記者は子育て世代だが、娘の後に生まれた男の子を「息子がこんなにかわいいものだったとは」と溺愛するママ友は1人2人じゃない。娘2人の後の長男を「私の王子ちゃま」と言ってはばからないママも知っている。母親から目一杯の愛情を受けてスクスク育つのが「姉持ち男子」なのだ。

 しかし、そうは言っても末っ子。姉たちの予定に有無を言わさず付き合わされ、引っ張り回されるのが彼らの運命。上の子の用事で忙しい母親から、放って置かれる時間も多い。そこで、自分の好きなものを自由に楽しめる環境が生まれる。

 才能を鍛える役目は姉たちだ。弟にとって、姉の命令は絶対。又吉も小学生時代、3歳年上の姉から「あんた面白いから文化祭の出し物考えて」とネタを書かされていた。「めっちゃウケてた」と喜んでもらえたという。母の愛と姉の厳しさ。かくして、自分の才能を伸ばしていく「姉持ち男子」が出来上がる。

 実は近年、結婚相手としての株も急上昇している。女性向け雑誌などの特集で「優しい」「女性の扱いがうまい」「女性との生活に幻想を抱かないのでパートナーとしてやりやすい」など、夫として高評価なのだ。

 かつては「末っ子男子」とも呼ばれ、代表は狂言師の和泉元彌(41)か、落語家の二代目林家三平(44)。失礼ながら、怖~い義母と小姑さんたちがくっついてくるイメージで、女性としては結婚相手に“ノーサンキュー”な物件だった。しかしこの方たちは、家庭を持続させ、仕事も順調。そうなると、いまや素敵男子に見えてくるから不思議だ。

 流行は時代を映す。イケイケのバブル期は「24時間働けますか~」とタフな男がもてはやされた。昨今は社会がいろいろな面で自由になり多様性が認められるからこそ、「姉持ち男子」が好きなことを突き詰めて、輝やいていけるのかもしれない。安全保障関連法案で、戦争参加かと勇ましい話も出ているが、優しくしなやかな「姉持ち男子」が伸び伸び活躍できる時代が続いて欲しいな、と思う夏である。

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2015年8月3日のニュース