雪の中、雀右衛門さんに別れ 藤十郎「もう一度一緒に舞台を…」

[ 2012年2月29日 11:31 ]

祭壇に飾られた中村雀右衛門さんの遺影

 つややかな演技で観客を魅了し、23日に91歳で死去した歌舞伎の女形で人間国宝の中村雀右衛門さんの告別式が29日、東京都港区の青山葬儀所で営まれた。

 歌舞伎俳優の坂田藤十郎(80)は弔辞で「後輩の芸を向こうの世界から優しく厳しく見てやってください。もう一度一緒に舞台をつとめたかった。お別れを惜しむように、東京は真っ白な雪景色です」と述べた。

 中村吉右衛門(67)や松本幸四郎(69)ら歌舞伎俳優やファン約500人が参列。雀右衛門さんの名前にちなみ、スズメが羽を広げて旅立っていくことをイメージしたという祭壇の中央には、2004年に文化勲章を受章した際の柔和な表情の遺影が。

 当たり役の「揚巻」役で身に着けた舞台衣装も飾られ、ひつぎには、台本などが納められた。

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2012年2月29日のニュース