「わたしは無罪」も…押尾被告、遺体写真から目そらす

[ 2010年9月3日 19:33 ]

 「わたしは無罪です」。きっぱり主張する一方、遺体の写真には目を背けた。3日、東京地裁で始まった押尾学被告(32)の裁判員裁判。冒頭陳述は検察側と弁護側による裁判員向けの“アピール合戦”の様相も。かつての人気俳優に市民はどんな判断を下すのか。

 押尾被告は黒のスーツにワイシャツ、青いネクタイ姿で、肩まで伸びた髪には白いものも目立つ。起訴内容の認否を問われると、用意した文書を手に「薬物は被害者が用意したもの」「わたしに保護責任はなく、無罪です」と主要部分できっぱりと無罪を主張した。
 その後は弁護団の脇に腰掛け、時折険しい表情でメモを取った。検察側が遺体の証拠写真を傍聴席に見えないよう関係者用モニターで示すと目を背ける場面もあった。
 男性4人、女性2人の裁判員にはこの日、発言の機会はなく、真剣な表情で被告に目を向けてメモを取るなどしていた。
 冒頭陳述では、検察側が被害者の容体急変を映画の登場人物に例え「両目を見開き『エクソシスト』の女の子のよう」「『呪怨』の男の子のように無表情でうなり声を上げ死亡した」と説明し、救助の必要性を強調。
 弁護側は「マスコミは被告の人間性を悪く仕立て、見殺しにしたように報じている。予断と偏見を捨て、虚心坦懐に判断してほしい」と求めた。
 61席の一般傍聴席に対する希望者は1554人に上った。傍聴した女性(45)は「別にファンではないので公平に見たが、被告に悪い印象は感じなかった。双方の主張が全然違い、裁判員は大変だろう」と振り返った。
 抽選で裁判員に選任されなかった東京都葛飾区の30代の男性会社員は「芸能人初の裁判員裁判らしいので、やりたかった」と残念そうだった。

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2010年9月3日のニュース