押尾被告側「放置していない」検察側「すぐ119番すれば救命できた」

[ 2010年9月3日 16:36 ]

 合成麻薬MDMAをのんで容体が悪化した女性を死亡させたとして保護責任者遺棄致死など四つの罪に問われた元俳優押尾学被告(32)の裁判員裁判初公判は3日午後、東京地裁(山口裕之裁判長)で審理が続行。冒頭陳述で検察側は「被告がMDMA服用の発覚を恐れ、救急車を呼ばなかった。すぐに119番すれば、救命できた」と指摘した。

 裁判員は男性4人、女性2人。この日は発言の機会はなかった。
 事件は東京・六本木ヒルズのマンションで昨年8月2日に発生。弁護側は、押尾被告と一緒にいた飲食店従業員田中香織さん=当時(30)=の死亡推定時刻を午後6時ごろと主張。「119番しても助からなかった。被告は懸命に人工呼吸や心臓マッサージをしており、放置、遺棄していない」と訴えた。
 一方、検察側は午後6時47~53分ごろの死亡と推定。5時50分ごろにMDMAの中毒症状が現れ、6時ごろには白目をむくなど容体が急変したとして「すぐに119番すれば、医師の専門治療を受けられ、救命できた」とした。
 田中さんに渡したとみているMDMAについても、被告が事件前、田中さんに「来たらすぐいる?」とのメールを送っていることなどから、被告自ら渡したと指摘。これに対し弁護側は「田中さんが自分で入手し、持参したものを飲んだ」と反論した。
 6日の第2回公判は、違法薬物を被告と一緒に使った経験があると供述している女性ら計6人の証人尋問を行う。

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2010年9月3日のニュース